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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第68話 限界を超えて………
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は?羨ましかったんじゃないのスカリエッティの事が。彼は娘達に囲まれて幸せそうに生活している姿を見て………』
「黙れ!!」
これ以上ホムラに話させまいと俺に向かって斬りかかって来た。
「私はスカリエッティとは違う!!決して彼を羨ましいなどと思った事は一度も無い!!」
『感情的になる辺りが怪しいけどね………』
「デバイス如きに何が分かる!!」
『デバイスじゃなくたって貴方の心の内なんて簡単に読み取れるわよ』
ホムラはクレインを立て続けに責め立てるが、それに怒りをぶつけてくるのは俺に対してであり、その全てを俺に向けてぶつけてくる。
………正直言って辛い。
「………っとそんな事考えている場合じゃないな………!!」
クレインの攻撃を寸前で身体を逸らし、回避する。
不思議な事に身体は相変わらず動かしづらいのだが、それを補う様にいつも以上に相手の動きが良く見える様になった。
(相手が素人だからか………?)
そう考えられたが、今の俺の状態で相手の力量は関係無いと思う。
(もしかして補っているのか?)
御神流の鍛錬の内に得たこの目。魔力で自身を強化しなければ使えない神速とは違い、たまたま得た物だが、今になってかなり役に立っていた。
「くっ!?何故いきなり………!!」
自分の攻撃が当たらなくなり始めてクレインも相当苛立っていた。
「何をした有栖零治!!」
「何もしてないさ………身体が動かなくても経験で相手の動きが読めるんだよ」
そう言って攻撃に移りたい所だが、あまり無闇に攻撃して限界を迎えるのは避けたい。ボロボロだろうとまだ体力に余裕のあるクレインの方が分がある。
「この!!」
がむしゃらに双剣を連続で振るうが、必要最低限の動きで攻撃を避ける。
「何故当たらん!!」
(このまま頭に血が上った状態だったら………!!)
チャンスだった。クレインは完全に頭に血が上っていて、力任せな戦いを続けている。
何だかんだ俺の言葉やホムラの言葉が響いたのかもしれない。
「当たれ、当たれ!!」
必死に攻撃を続けるが俺にはかすりもしなかった。
「これなら………どうだ!!」
双剣を俺に向け、そのまま突こうとしてきた。
(恐らく突いて、避けたら横になぎ払いか………)
最小限にしか避けないことに気がついたのだろう。
しかし………
「容易に対応できる」
俺はクレインの突きを刀と鞘で受け止めた。
「くっ………」
やはり左右に動いたところで斬り払うつもりだったのだろう。動かなければ突きさえ耐えることが出来れば問題ない。
「今度はこっちから行かせてもらう!!」
連撃を防がれたクレインの隙を突き、腹に鞘を突き刺した。
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