11修行後編
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アス様とイッセーが話しているところに遭遇した。
そういや、イッセーの姿がなかったな。
なにやら真剣そうな表情で会話をする二人に入っていけず、気配を消していなくなるのを待っている。
会話の内容から察するに、イッセーは自分の非力さに気づいて落ち込んでいて、リアス様に愚痴を漏らし、リアス様も家柄に縛られず、政略結婚ではなく自分自身を見てくれる相手と結婚したいと愚痴を漏らしていた。
「自信が欲しいのね。いいわ、あなたに自信をあげるわ。ただ、いまは少しでも体と心を休ませなさい。眠れるようになるまでそばにいるから」
自分の非力さに泣くイッセーを優しく抱きしめ頭を撫でる優しいリアス様。
ははっ、俺の王は、どこまでも甘くて……、どこまでも優いな。
まったく……、外道だったり、ただ甘いだけの悪魔だったら、さっさと見限って逃げようと思っていたが、あんな姿を見せられたら守ってやりたくなるじゃないか。
「さあ、おやすみなさいイッセー」
「……ありがとうございました部長」
しばらくするとリアス様はイッセーを離し、イッセーはリアス様に恥ずかしそうに礼を言うと部屋へと戻っていった。
「……さてと、ヤマト」
「気づいていたんですか?」
「それはそうよ。来たのが見えたわ」
まあ、俺も一瞬見られたのに気づいていたからな。
「盗み聞き?」
少し不機嫌そうに尋ねるリアス様。
「いえ。水を飲みにきたときに二人が真剣に話し込んでいたので、いなくなるまで待っていたんですよ。話を聞いてしまった事は、謝ります」
コップに水をついでリアス様の向かい側の席に腰を降ろす。
「盗み聞きは褒められた事ではないけど、いいわ、許しましょう。それよりも……」
リアス様が顔を近づけてくる。
「リ、リアス様?」
かなり近い。もう少しで唇が触れ合うほどに。
「……あなたは何者なの?」
リアス様は俺の視線に瞳を合わせ、イッセーと話していた時よりも真剣で、探るように尋ねた。
「俺は、単なるリアス様の眷属で……」
「違うわ」
リアス様が会話の途中で口をはさむ。
「今まで修行をしているけど、あなたの力の底が全く見えない。『騎士』の駒で上級悪魔に匹敵するほどのスピードと剣技で祐斗を圧倒するし。『戦車』の小猫よりも耐久力があって、格闘術も達人クラス、それに、今までの修行であなたが疲れているところなんか見た事はないわ。あなたに引っ張らせた岩の重量も500kgはあったのにそれを軽々引っ張って走り続けた……」
リアス様は大きく深呼吸をした。顔が近いのでモロに吐いた息が顔に当たるんですが……。
リアス様はゆっくりと口を開く。
「もう一
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