憎悪との対峙
40 明かされた混沌
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はどこか肩の力が抜けた、どこか安心したように見えた。
美緒の資料の最後のページ、そこには後から付け加えられた雰囲気のあるページだった。
28日未明のプライムタウンでの戦闘により、『カオス』が倉庫の倒壊に巻き込まれ、計画の続行は不可、延期とする。
なお残骸はWAXAに回収されている。
「…おい」
「確かに…28日のプライムタウンでの騒動の後、現場からそれらしい装置の残骸が見つかっています」
「じゃあ…計画は失敗?..したってこと?」
「そうらしいです」
「…でも失敗じゃない。延期だ。また『カオス』が持ち込まれれば」
「無理です。『カオス』にはオリハルコンメタルや他にも既に入手困難なものが多数使われており、量産は不可能です」
「終わった?...終わったのか?」
全員がため息をついた。
ここまでの悪夢のような計画は全て終わっていた。
しかし確証も無い、だが美緒が捕まることを見越してデータに手を加えていたとも考えられない。
「…とりあえず警戒だけは続けた方がいいだろうな。現状、まだValkyrieの人間は多く野放しになっている状態だ」
「そうだな。おい、笹塚!とりあえずこの情報を管制室に」
「分かりました!!」
マヤに言われ、笹塚はすぐさまデータをストレージにコピーしてシドウの部屋を飛び出した。
このことはすぐに知らせねばならない。
しかし反面、マヤには笹塚を追い出すという目的があった。
「じゃあ…次は…これはこいつか…」
「笹塚さんはあまり巻き込みたくないですからね」
「あぁ…」
「お前たちの方が8つだか年下のくせに、まるで姉と弟だな」
「本当にそんな気がしてきちゃってるんですよね。でも…ここからは私たちへの依頼です。私たちで解決しましょう」
「…そうだな。これはさすがに公には出来ないしな」
リサとマヤは顔を合わせ、学校の地下で見つけたデータとローカルネットワークから入手した監視カメラ映像を見た。
「これが…私たちが探していたものの正体…」
3人の視線の先のモニターには向かってくるジャミンカーを圧倒的な戦力で蹴散らしていく灰色の電波人間の姿だった。
「オペレーション・ナイトメア…これが奴らの計画の全て」
「でもあなたが潰してしまった。だから、せめてジョーカープログラムだけでも…と焦った計画を実行した。これが今回の学校占拠の理由ね」
「あぁ。計画を失敗した以上、ディーラーを牽制できる、なおかつ自分たちが可能な方法を探せば、ジョーカープログラムくらいしかない」
彩斗はPCを閉じた。
ため息をついて、イスの背もたれに寄りかかる。
ゆっくりと目を閉じ、緊張の糸を解いていっ
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