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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
40 明かされた混沌
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のことをよく知っていた。
もしそんなことが起これば、どんな事態になるのか想像に難くない。

「デンサンシティはこのネット社会を構成する中心、いわば東京同様にニホンの中核を担う場所だ。全国、いや世界中からあらゆる人間が出入りする。もしそんなことが起きれば…世界中にあっという間に広がる」
「このデータの彼らの計算によると、約137時間、すなわち…およそ6日で世界78カ国に蔓延、ニホン経済は崩壊、政治は機能しなくなり、ニホンを含めた近隣国では多くの争いが勃発して、約半年で紛争地帯に変貌します」
「世界中を覆い尽くすのに10日も掛からない…」
「でも…そんなこと…そうやって…」

「ユナイトカードですよ。街中の人間にばら撒いたカードがダークチップと同じ精神干渉波を中継・拡散させる」

「じゃあ…ユナイトカードを仮にスピーカーとするなら、それに干渉波を飛ばすマイクがあるってことに…」
「そうです。この資料を読む限りでは、Valkyrieにはナイトメア・テイピアと呼ばれる電波人間が存在するようで、人間の負の感情を増長させる精神波を発生させることができる。これがマイクで拡散させる音源に相当するものです。そして肝心のマイク、すなわち拡散させる役割をもつものですが…」

リサは資料を次のページに進めた。

「Valkyrieが開発した通称『カオス』と呼ばれる高性能拡散装置。これでナイトメア・テイピアの精神波を拡散させる…建物のような障害物の影響も受けず、街全体を僅か数秒で覆い尽くします」

「カオス…混沌の神…」
「…もし実行されれば…世界中の人間が恐怖に怯え、怒りに囚われ、他人に疑心暗鬼になった民衆は…争いを起こす。今、起きかけている戦闘の火種には間違いなく火が点き…第二次世界大戦前後の世界へと逆戻りする」
「でも現代の科学力がある分、質が悪いけどな。核兵器や生物兵器。まるで病原菌のように広がる。デンサンシティでこの病気に感染した人間は世界中に病原菌を運ぶ」
「国同士の条約も平和協定も国を統治する司法も行政もなんんの訳にも立たない…」
「もし、デンサンシティへの出入りを禁止、住民たちを隔離することが出来ても、ニホンは間違いなく終わる」

皆が顔を合わせた。
最初は兵器をデンサンシティを拠点にニホン中に広めることが目的だと思っていた。
それだけでも十分、世界的な中心となりつつあるニホンを潰し、世界中の治安を悪化させ、戦争ビジネスを加速することは十分可能だ。
しかし予想を遥かに上回った計画は彼らの思考はまるで黒い霧で包まれていくような感覚で覆われていく。

「計画が実行されるのは?速く何か対策を立てないと!!」
「それが…これを見てください」

リサはキーボードを叩いて最後の資料へと切り替える。
その時のリサの様子
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