憎悪との対峙
40 明かされた混沌
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d /mnt
shark@vaio-1:~mnt# find ~/ -name *.pdf
「…見つけた」
「!?速いわね」
「幸い手持ちのルートキットがちゃんと動作してくれた。試したことなかったけど…」
彩斗はキーボードを叩き、1つのPDFファイルを見つけた。
タイトルは「ON.PDF」、更新日時はつい最近だ。
一旦、デスクトップにコピーしてウイルススキャンをする。
「開くよ…」
鉱石で作られたトラックパッドに指を滑らせ、デスクトップ上にコピーしたファイルのアイコンのカーソルを乗せる。
そして一度、深呼吸するとアイリスとハートレスが見守る中、彩斗は指に力を入れてダブルクリックした。
リサはイスの背もたれに寄りかかった。
ようやくシドウから預かった端末の解析が終わった。
さすがにAndroidやiOSのような大きなシェアを持っているOSでないため、リサ自身も手探りな部分が大きかった。
この2時間で約300近い解読方法を試した。
背伸びをしてから目薬をさす。
「どうだい、姉ちゃん?」
「ようやく終わった..これから3日はパソコンの画面なんて見たくないわ…」
「随分と苦労したみたいだなぁ…あまり一般に使われてないってことは裏返せば、誰も侵入したりしないってことだもんな」
「マジでお疲れさんです。でもオレとマヤさんでこっちの解析も終わりました…専門用語ばっかりで必要なデータを探し出すのにかなり苦労しました」
「全くだよな。だけど例のデータと89%一致。殆ど誤差の範囲と考えれば間違いない。この3日の苦労がようやく報われるって感じだな」
笹塚は嫌いな教科の試験を受けた後の小学生のような顔をしながらキーボードと体の間に置いていた辞書を閉じた。
ファイルを探そうにもキーワードや何らかの知識が無ければ探しようがない。
いくら3人がPCについて精通していても、まだまだ見たことのない拡張子というのは無数に存在する。
しかもそれ以上に目的のモノ以外にも手に余る機密ばかりで自分たちが関わるべきでない世界に飛び込んでしまっているという緊張感や重圧が作業を遅れさせた。
「平和な社会だと思ってても裏ではこんな危険なものが動いてたっていうのは…正直、オレら…知っちゃいけないことを知っちゃったんじゃ…」
「何だよ…今更?今までだってWAXAにいるだけで知っちゃマズイことなんざ、いくらだって知る羽目になってるだろうが。通信盗聴や諜報活動…大して変わらんだろうさ」
「でも…」
「そのときは仲良く地獄の果てまでランデブーしてやるよ」
怯える笹塚に珍しくリサは励ます言葉を掛けながら肩を叩いた。
珍しく見せた優しさに笹塚は思わず泣きそうになる。
いつ
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