憎悪との対峙
40 明かされた混沌
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違ってクラッカーじゃないのよ?これはあなたの仕事」
ハートレスはロックは解除するためにある、解除するのが当たり前のような顔をしていた彩斗の前に美緒から奪ってきたXperiaやその他のメディア、そしてVAIO Zを差し出した。
彩斗は不思議そうな顔をしながらVAIO Zを開いた。
中には自分のPCと同じカスタムLinuxがインストールされ、殆ど環境が再現されている。
しかし先程、学校に突入するときに預けられたPCとは違った。
「さっきのパソコンは?」
「あなたの使った経路の中に妨害電波の発生源があったか、戦闘の余波か、逃げる途中の衝撃のせいかは分からないけどSSDが逝ったわ。本当なら弁償してもらいたいところなんだけど?」
「…ジョーカープログラムが無事だっただけ良かったじゃないか?ほんの10万ゼニー程度で助かったと考えれば安いものさ」
「…ああ言えばこう言う。まぁいいわ、さっさと始めて」
「あぁ…」
「ただし力加減は考えてね?いつもどおりに叩いたら、このパソコンも後を追うことになるから」
彩斗は注意しながら、XperiaをVAIOに繋ぎ、端末コンソールを開く。
しかしハートレスとの今のやり取りで気がかりなことがあった。
画面右上のデジタル時計を見る。
時刻は22時27分となっていた。
続いて自分の時計を見た。
「待って。妨害電波…?今何時?」
「22時27分、私の時計がずれてなければ」
「…そうか。きっかり1時間20分遅れてる」
彩斗の時計、アテッサはオーバーホール時期に差し掛かったハートレスのコンステレーションよりもずれていた。
クォーツ、機械式問わず時計を含む機械類というのは磁気に弱い。
先程まで妨害電波に晒されていた、更にPCが壊れた原因としてハートレスが最初に上げた妨害電波の発生源が自分の通ったというものが当たっていたとしたらと不安になって確認した。
結果、案の定遅れていた。
「…限定モデルで気に入ってたのにな。明日、診てもらおうか」
「あら?ディーラーから支給された時計は?」
「中学生が30万もする時計着けてるなんて変だよ。何処かにやっちゃった」
「…なるほど、確かに。誰の時計かと思ったらあなたのだったのね?」
「…何処で見つけた?」
「本棚の奥」
ハートレスはシーマスター プロダイバーズ300Mをテーブルの上に置いた。
彩斗が昔、隠したものだった。
しばらく使っていないために止まっていたが、ハートレスが持ち歩いていたためかゼンマイが巻かれて動いている。
クインティアが使っているものと型番はほぼ同世代でダイバーズベゼルは青、渦か波のような文字盤に古来より時計にとっては天敵である水との戦いを象徴するシーホースがプリントされている。
彩斗はため息をつきながら腕に
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