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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
泣きつかれる
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うね・・・とりあえずそれは、また二人きりの日にするわ。」

もう告白したこともあって余裕なのか、音央はそう返した。それでも少しばかり顔が赤い辺り、少しは無理をしているのかもしれない。

「そうなんだ。なら、私もまた二人きりになった時にしよーっと。」
「とかいいながら腕に抱きついてるのは何なのかな?」
「ん?これは別だよ、お兄さん。」

良く分からないが、ヤシロの中ではちゃんとした理屈があるのだろう。そして何より、一輝も起きてからこれまで会えていなかったり何も出来なかったことがあってか、こうして触れ合えているのがうれしかったりする。

「それで、どうだ?なにか面白いこととかあった?」
「そうね。強いて言うなら、普通のサイズのトカゲが大量の荷物を運んでるのを見て驚いたけど。」
「確かに、あれは衝撃的でしたね。一輝さんの代わりに働いているんでしたっけ?」
「ああ、一応そうなるな。つっても、子供たちと一緒に雑用をこなすくらいしか出来てないんだけど。」

話は今現在“ノーネーム”の敷地内で一輝の代わりに働いているやつのことに移った。

「あれ、一輝の式神?だとしたら呪力消費があるはずだけど。」
「いや、そっちじゃなくて檻の中のやつ。何でか分からんけど、あの状態なら呪力や生命力の消費がなく出せるから、こうして働いてもらってる。」
「へえ、そうなんですか・・・これまで何度も戦いの中で檻の中から妖怪を出すのを見てきましたけど、あんな妖怪いましたっけ?」

ああ、まだ正体に気付いてないんだ、と一輝は嬉しく思った。どうせなら、一番いい反応をしてくれるやつの前でバラしたいのだろう。
さすがに一緒に働く都合から子供たちには知られてしまっているが、それくらいは仕方ないと考えているのだ。

「・・・この感じだと、トカゲさん(あれ)の正体は話さない方がいいのかな?」
「ああ、頼む。出来ることなら階層支配者の誰かにばらしたい」
「おー。確かにそれは面白そう。」

そんな中ヤシロはそれの正体に気付いているようだったが、話す気はないらしい。まあヤシロも問題児だから仕方ないな。うん。

「他には・・・一輝について色んな人に聞かれたわね。」
「というと?」
「どんな人なのか、どのような功績を立てたのか、ギフトはどのようなものなのか、あの時発動した主催者権限は一体何なのか・・・上げて行くとキリがありませんね。」
「そして、全部答えにくいんだよね〜。お兄さんについての主観くらいは話せるんだけど、ほかはあんまり外に出したくない情報だし。」
「まあ、対策なんて出来ないだろうけど、一応必要か。」

一輝のギフトについては、相手に知られたからと言って簡単に対策できるものではない。オベイロンのように特殊な主催者権限でも持っていれば話は別な
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