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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
泣きつかれる
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そうして現状の話が終わると、減った分の薬の補充や状態が変わったことによる薬の入れ替え等の作業が行われ、清明は立ち上がる。

「ほな、今後のことをジン君と黒ウサギちゃんの二人に話して、そのまま帰るわ。何か質問とかあるか?」
「あー・・・いや、特にないかな。」
「そか。ま、何か質問とかあったら遠慮なく呼びだしてな。今僕、階層支配者の方々から君の主治医認定されとるから、責任重大やねん。」

君の身に何かあった時が怖いんや、とふざけたように言い残して清明はドアを開き、部屋を出る直前。

「そや。一応言っとくけど、筋トレとかリハビリとかもまだ駄目やで?」
「え、ダメなの?」
「・・・いうといてよかったな。まだ駄目や。もっと体が休まるまで禁止。」

強い口調でそういいのこして、今度こそ清明は部屋を去った。
そして、部屋の前で待機していたのだろう。清明と入れ替わるように四人の少女・・・音央と鳴央、ヤシロ、スレイブの四人が部屋に入ってくる。

「お、久しぶりだな四人とも。どうだ?元気」
「兄様ぁぁぁぁぁ!」

そして、一輝が片手をあげて笑顔を見せながら挨拶すると、スレイブがそれを遮って飛び付く。一輝の顔を見ると同時に目が潤みだし、笑顔を見せたところで涙腺が崩壊し、声を聞くのと同時にこれである。よくこれまで普通に作業を出来ていたものだ。

「お、おいスレイブ?そんなに泣いてどうしたんだよ?」
「兄様、兄様ぁ!」
「ちょ、ええと・・・」

少しは覚悟していた一輝だが、開始直後にこれで完全に困惑していた。そのためか少しの間何も出来ずにただ泣きつかれるままになり・・・その後、スレイブの頭に手を置いて、優しく撫でる。ちょうど今朝動くようになった、その手で。
スレイブはその行動でより一層一輝に強く抱きつきなく勢いもましたが、一輝はされるがままになる。

「あーあ、こりゃミスったな。むちゃくちゃ心配させたみたいだ。」
「ええ、ものすごくね。あんたはそれだけの心配を、色んな人にかけたのよ?」
「しかも、大半の人は感謝しないといけない立場なために文句も言えません。」
「だな、中々に最低だ。だからと言って後悔があるわけじゃないんだけど、まあでも・・・ごめん。説教はいくらでも聞く。」
「「よろしい。」」

珍しく一輝がそういったことで、二人も一時的に矛を収めた。一時的でしかないが、一輝が大人しく受け入れたことが大きいだろう。

「まったく・・・二人は素直じゃないなぁ。スレイブちゃんみたいに抱きついちゃえばいいのに。」

これまでしゃべらなかったヤシロは、二人に対して少しばかり呆れたような様子でそう言った。

「わ、私は別にそういうのは・・・」

それに対して、鳴央は一瞬で顔を赤くしてあわあわし、

「んー、そ
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