プロローグ きっかけ、それは好奇心と不信感
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士で交換してコレクションの幅を増やしていくという楽しみもある庶民的でありつつ満足感もある、いわば娯楽道具だ。
なぜそんなものが、しかもこんな大量の数が鎮守府に送られてきたのだろうか?それは誰にもわからなかった。先ほど述べたように送り主の名前おろかダンボールに筆が掠った後すらないからだ。
「ふむ…これは艦娘の娯楽用に使えというのか?しかしこういうのは男児が好きな遊びであって女の子達に人気が出るとは思えない」
と偏見を口にしつつもカードを箱から取り出していく提督。この作業に何時間かけるつもりなのだろうか、この姿を艦娘が見たら失望する者も現れるのではないだろうか。
そんな、一見カードで遊ぶサボり提督のようにしか見えない提督の元にある一人の艦娘が乱入する。その娘は大きな声で、廊下を走り、ノックもせずに提督室に突撃してくる。ドアの音が大きく鳴り響いたのは言うまでもない。
「ヘーイ提督ゥ!Burning Love!!」
「うぉぉ!?金ごッ!!」
部屋に突っ込んできたのは、高速戦艦金剛型一番艦、茶髪のセミロングの英国帰りの帰国子女である「金剛」だ。突然の奇襲に反応することができずこの娘の名前を呼びきることなく、勢いよく抱き付かれ…というか突撃され、床に押し倒されたまま気を失ってしまう。
「oh…提督…気絶しちゃったネー」
馬乗りになりながら、完全に他人事のように笑いながら言う金剛、とうぜん彼女に悪意など無い。その後金剛は提督を起こそうと、揺すったり頬を叩いたりしていた。
提督が起きたのはそれから2時間後であった…。
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「ん…ここは…ッ痛ェ…」
突撃された時のダメージが残っているようで、体を起こすと同時に提督の頭部に痛みが走る。霞んだ視界で辺りを見渡すとそこは先ほどまで謎めいた段ボールから出てきたカードを段ボールの中から取り出す作業をしていた、提督室であった。そして、床で布団もなにも敷かずに転がっている提督の隣には先ほどの娘「金剛」が座っていた。
「あ!提督ゥ!GoodMorningネー!!」
起きたばかりの頭に、耳に響く大きな声、しかも隣で言われたら効果も大きく、一瞬耳を塞ぐ。
「お前少し声の音量下げてくれよ…ただでさえお前のせいでダメージ負ってるんだからな、というかモーニングじゃねぇ今は夕方だぞ」
甘えさせるのは良くないという結論から少しではあるが辛辣なたいどで接する。金剛も反省したような素振りを見せる、本当に反省しているかは別とするが。
「HAHAHA…ごめんネ提督」
頭を掻いて苦笑いしながら謝る金剛。普通にしていれば可愛いというのにどうも賑やかすぎる。そう思いながら提督は愛想笑いしながらため息をついた。
「ところで提督ゥ、この紙の山はなんデスカ
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