プロローグ きっかけ、それは好奇心と不信感
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深海より現れし謎の艦隊「深海棲艦」によって人間は制海権を失った。
軽巡洋艦、駆逐艦、戦艦…など多種を極める深海棲艦は徐々に人類を蝕んでいった。そんな深海棲艦に対抗できる力を生まれながら持つ少女達「艦娘」の登場によって、人類の反撃は始まったのだ…
しかし今回の話はそんな戦争とはまるで無関係な、「艦娘」たちがカードゲームで遊ぶだけのとてもとても平和的なお話である…
〜佐世保鎮守府提督室〜
「なんだこれは…誰が送ってきた?」
少し前まで席を外していた提督が自分の部屋に戻ってくると、そこには何個も積み重ねられた大きな段ボールが置いてあり、部屋に入った瞬間提督はそれに意識が集中する、というか部屋には誰もおらず、入室した瞬間山のように積まれたダンボールを見れば誰だってそれに意識が行くだろう。不審そうにダンボールをじっと観察する、右から、左から、上からいろいろな視点からダンボールを見る。しかし文字もなにも書いておらず、そのことから当然のように送り主も書いていない。初めは「ゴミだろうか?」「嫌がらせか?」などと考えていたが見るだけで10個はあるダンボールに何が入っているか、人間なら大体が興味を持つのではないだろうか。それは提督も例外ではなかった。
「…荷物がある、ということは誰かが出入りしたのは間違いない。しかしこんないかにも重そうな荷物をこの数運び出せる女性などいるのだろうか?」
真剣にダンボールのことを考え、数分悩んだ結果やはり開けるしかないだろうという簡素な答えにたどり着いた。恐る恐る一番上の1箱に手をかける、持とうとするとやけに重く床におろすには相当な体力を使った。
「ぜぇ…ぜぇっ…なんだこれは…魚雷でも入っているのか…ダンボールに魚雷とか非常識にもほどがある…」
息を切らしながらそんなことを言う提督、もちろん中身は魚雷などではない。魚雷ならば床に下ろす前に鎮守府が堕ちていた。
切れた息を整えると、机に置いてあるハサミを手に取り、ダンボールの開け口を封じているガムテープを切っていく、慎重に中身を傷つけぬよう。
「なんだこれ…カードだと?」
開けたら爆発をするのではないか、という不安とともにあった箱の中身を知りたいという好奇心はその中身を見た瞬間に羽を生やして飛んで行ってしまった。中身は茶色いカードの山、数千枚はあるだろうとされるカードの山であった。
提督は眉間にしわを寄せながらその中のカード1枚を手に取り、裏表を交互に見る。
「遊戯王?ジャンクウォリアー?なんだこれは、まさか噂に聞くTCG(トレーディングカードゲーム)のカードか…?」
TCG、トレーディングカードゲーム。それは多彩なカードを集めて1つのまとまりである「デッキ」を作り、それを使って遊ぶ対戦ゲームのことである。T(トレーディング)ということもあって、コレクター同
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