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戦場の蛍
1部分:第一章
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 彼等は六月に攻め込んだ。だから一応夏があることも知っているのだ。もっとも肝心な時にやって来た冬将軍のせいで今戦線は膠着してしまっているのだが。ヒトラーもドイツ軍の首脳も冬将軍のことはわかっていたがその予想を越えたものであったのだ。それがロシアの冬なのだ。
「まあ夏まで待とうぜ。最悪春までな」
「そうするか。夏にはイワンは降伏だ」
 この時はまだこう思えた。

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