ヒトランダム
現実か、妄想か
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、そんな風に笑ってればスッゲーモテそうな気もすんね」
「話をそらすなっっ!!」
稲葉が机を思い切り殴る。音からしてとても、痛そうな気がする。
今日一日で二つ以上の魂入れ替わり事件っぽいものに遭遇しているのだ、さすがの稲葉も平常心ではいられなかったようだ。
なので、渋々ながら俺は場を取りまとめることにする。
「で、お前ら二人とも、その入れ替わりは本当なのか?」
「ああ、本当だ。信じられないかもしれないが、俺が八重樫太一で八重樫太一の中身が永瀬伊織だ」
じっと目を見つめて嘘かどうか確かめようとする。
……嘘をついているようには見えない。それなら本当か?しかし、入れ替わりが本当だと決めつけるのもまだ微妙だ。
「何か証拠はあるか?そうだ、お互い自分しか知らないこととかどうだ」
「なら、いい手があるぞ」
机を殴って手を痛めていた稲葉が黒い笑みとともに参戦してきた。どう考えても嫌な予感しかしない。
「太一、今からする質問に一瞬で答えろよ」
「ああ、分かった」
「じゃあいくぞ」
そう言って稲葉は一呼吸置くと早口で質問をまくし立てた。
「最近太一が青木に借りたアダルトビデオのタイトルは!」
「『巨乳じょしこ……』って何言わせようとしてんだよ!そもそも稲葉に答えは分からないだろ!」
永瀬の姿をした八重樫は立ち上がって顔を赤く染めながら稲葉に抗議している。
その姿を見て稲葉はしてやったりといった感じの表情。
相変わらず稲葉は性格の悪いことだ。
「まあ、でもこれで永瀬の中身は八重樫だな。合ってるよな、青木?」
「おそらく合ってるぜ」
にっこりとグーサイン付きで永瀬の中身が八重樫であることのお墨付きをもらった。
「じゃあ、入れ替わりは決まりだな。で、この後はどうなるんだ青木」
この後の展開が読めない以上、ここは経験者に頼るのが一番だ。
「えーっと、確か三、四十分くらい経ったら元に戻ったはずだ」
腕時計を見るとさっき八重樫と永瀬が入れ替わってからだいたい三十分といったところだ。ならばそろそろ入れ替わりも元に戻るだろう。
戻らなかったらその時は青木たちの入れ替わりとはまた別のものとみる線も出てくるが。
と、そのとき立っていた永瀬……の外見をし八重樫がすとんといすに座り込んだ。
そして、八重樫と永瀬が顔を見合わせる。
「「元に戻った!」」
二人ともとてもうれしそうに手を取り合って喜んでいた。
「ほんとかよ……」
この中で入れ替わりを懐疑的に見ている、稲葉と俺は二人の入れ替わりはただの演技であって信じたところでネタばらしというオチなのではないかという風に思い頭を抱える。
しかし当人たちはあくまで本当に入れ替わりが戻
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