第2部
第3話 特別編 我が祈りは旭日と共に 其ノ1
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のコンテナに釘付けになる。
艦娘にとって主砲とは、自らの牙であり誇りだ。
より大きい、より高性能の主砲を積みたいと、皆日頃から思っている。
「……あのMSを搭載したら……」
「……多分いけるだろうけど、無理だよ長門姉さん。
幾らホバージェットでリコイル消してるとは言っても、反動で甲板が抜けるよ」
その後、数時間にわたりザメルについて質問責めにあったのは言うまでもない。
???
姉達の質問責めから命辛々逃げ延びた俺は、武蔵と一緒にリンドヴルムのPXにやって来た。
朝から何も食べていなかったので腹の虫が騒ぎ出したのだ。
「すまないな、騒がしくて」
「いや、よく慕われているじゃないか。
結構な事だ」
「そう言ってくれると助かるよ」
リンドヴルムのPXには人が居らず、糧食科の隊員と俺達だけ。
丁度真ん中の席に武蔵を座らせ、俺は券売機で宇宙食と皿うどんを購入。
料理を受け取り、武蔵の前に置いた。
「確か武蔵は九州の出身だったな」
「おお、皿うどんでは無いかッ??
大好物だ、すまないッ??」
相当腹が減っていたのか、武蔵はパクパクと皿うどんを平らげ、俺が一つ目の宇宙食のパックを終わらせる頃には、綺麗さっぱり皿うどんは無くなっていた。
「提督はそれでいいのか?」
「ん? ああ、中々に行けるんだ、これが。
かれこれ20年近くこいつを食ってるからなー……。
慣れちまったんだ」
武蔵が興味深げにレトルトパックを眺める。
「俄かには信じがたい事ではあったが、違う世界か……是非話を聞きたいな」
「向こうのか? あんまりいい話じゃないんだが……」
「私も聞きたいわ」
「んあ? 加賀姉さん?」
いつの間にか、脇に立っていた加賀姉さんが話に乗って来た。
見れば、金剛姉さんや長門姉さんなど、最近よく絡む姉達が周りに集まっていた。
「球磨も気になるクマ」
「そう言えば向こうの事は聞いてなかったな」
「一葉ちゃんの事、お母さんに話してほしいわ」
いつの間にか両親まで加わっている。
なんで俺の知り合いは神出鬼没な奴が多いんだ。
「……あんまり面白くはないよ?」
俺は語り出した。
向こうの世界の事。
人と人が分かり合え無かった、この世界が辿ったかもしれない世界の話を。
俺が士官学校へ入校したときの話を。
「あれは……雪が降る寒い日だったな……」
次話ヘ続ク……
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