第2部
第3話 特別編 我が祈りは旭日と共に 其ノ1
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
9月2日
リンドヴルム
第1作戦会議室
リンドヴルムの作戦会議室。
各部門の責任者のみが集まった室内は、異様な空気感に包まれていた。
「俺達がここに来たのは、偶然じゃなかったって訳か……」
「いや、人為的に引き起こされたわけでもない。
そう言う意味では、これは偶然だったのだろうさ」
「然し、サイコフレーム≠ニは……深海棲艦の再生能力も納得できる」
サイコフレーム=B
サイコミュの基礎機能を持つコンピュータチップを、金属粒子レベルで鋳込んだMS用の構造部材だ。
嘗てネオジオンで開発された技術で、ネオジオン総帥、シャア・アズナブルにより意図的に連邦へリークされた経緯がある。
MSやMAに組み込む事で、それまで膨大な搭載スペースを要したサイコミュを大幅にダウンサイジングする事が出来、結果的に機体の能力が向上した。
だがサイコミュ自体、未知の領域が大き過ぎた為、サイコフレームの開発は結果的に凍結となった。
「ユリシーズ……いや、アクシズ≠フ存在とサイコフレーム……第二次ネオジオン抗争でサイコフレームを搭載していた機体は限られて来る。
恐らくは……」
「サザビー≠ニνガンダム=c…ですね」
「ヤクト・ドーガ≠ニα・アジール≠ニいう可能性も捨て切れん。
だが、姫級や鬼級の再生能力がサイコフレームの恩恵だとしたら、サイコフレームを有していない通常型の深海棲艦の再生能力は一体……」
再びの沈黙。
だが、その沈黙は突然の来客によって遮られた。
「提督、鹿島鎮守府中央棟に御来客です」
「ん? 俺にか?」
「はい、呉鎮守府と舞鶴鎮守府からいらっしゃいました」
「呉と舞鶴から?」
???
呉鎮守府と舞鶴鎮守府。
日本帝国海軍でも5本の指に入る大規模な鎮守府だ。
歴史も古く、由緒正しい軍港であり、保有する艦娘の隻数も尋常ではない。
中央棟にジープで乗り付け、重々しい木製の扉を開ける。
中央棟内はいつも通りの静けさと重厚な緊張感に支配されており、平常運転のようだ。
「貴方が神宮司准将閣下でありますか?」
玄関ホールの真ん中で話し込んでいた3人の艦娘と思しき少女達が、俺に気づいて歩み寄ってくる。
駆逐艦と思しき少女の問いに対し、敬礼で答える。
「如何にも、地球連邦宇宙軍第8軌道艦隊麾下、特別即応艦隊を指揮している、神宮司一葉准将だ。
貴艦等は…?」
「呉鎮守府からエインヘリアル艦隊へ転属致しました、陽炎型2番艦、不知火です。
御指導、御鞭撻、宜しくです」
「白露型4番艦の夕立よ」
「あ〜、前々から言ってた奴か……ああ宜しく、共に戦おう。
……で、そちらさんは?」
戦艦クラスか重巡クラスであろう、褐色の肌に長身の女性が、不敵な笑みを浮か
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ