第三十八話 もう一つの古都その十六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「戦いの後でどなたにお話しても構いません」
「君には一切興味がないんだ」
「人と動物の間の子が出て来たなぞというお話は誰も信じません」
「だから誰にも言っていいよ」
「一つ謎が解けたわね」
菖蒲は怪人達が裕香に言った言葉から思考を巡らしそのうえで述べた。
「貴方達についてのね」
「私達が貴方達だけを狙ってもですね」
「その娘に見られても平気なことが」
「ええ、確かにその通りよ」
まさにと返す菖蒲だった。
「それは見たという話を誰にしてもね」
「御伽話と思われるだけです」
「僕達みたいな連中はそれこそ有り得ない存在だからね」
自然の世界においてだ、少なくとも地球の中ではだ。
「それで私達が出て来たなぞ」
「誰も信じないよ」
「もっとも貴女達以外には見られない様にしていますが」
「その娘はいつも君達と一緒にいるらしいからね
「見られても仕方ありません」
「そこはもう既に僕達の頭の中に入っているんだ」
こう語るのだった。
「どなたがそうしてくれたかわかりませんが」
「最初からね」
「私達の標的はあくまで貴女達力の持ち主のみ」
「他の誰にも興味はないよ」
「そう聞いて安心したぜ」
薊はその手に七節棍を持ったまま怪人達の前に来た、そのうえで棒を両手に持ちなおしてそのうえで構えを取った。
そして構えを取ったうえでだ、今度はこう言ったのだった。
「裕香ちゃんに手を出さないんならな」
「そのことはお約束します」
「最初から頭にないことだからね」
「ですから貴女達さえ倒せれば」
「僕達はそれでいいよ」
「そうかい、じゃああたし達はな」
「貴方達を倒せば」
薊も怪人達の前に出て剣を構えて言った。
「それでいいさ」
「満足させてもらうわ」
「色々知りたいことはあるんだけれどな」
「貴方達についてね」
だがそれでもというのだ。
「とにかく謎しかないからな」
「そのことは数えきれない位あるわ」
「けれど今はな」
「貴方達についてはここで倒せば」
それで、というのだ。
「いいさ」
「終わりということでね」
「そうですか、それでは」
「今からだね」
怪人達も二人の言葉を受けて返した。
「戦いをはじめましょう」
「それで誰が誰と戦うのかな」
「あたしは赤が好きだしな」
薊は百足の怪人のその赤い身体を見て言った。
「あんたにしておくよ」
「わかりました」
「それでは私はね」
菖蒲は薊と百足の怪人のやり取りを受けて残るドラゴンの怪人に言った。
「貴方になるわね」
「そうだね、消去法で」
「それではね」
「はじめようか」
ドラゴンの怪人も応えてだ、そのうえで。
二人と二人、合わせて四人の戦士達は戦いに入った。少女達は日本のもう一つの古都で
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ