三十八話:偶には旅もいいよな
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「アーシア、とりあえずお前はリアスと同じく基本トレーニングを重点に置け。それと俺の考えたメニューでは回復範囲を大きくすることと……もう一つは回復のオーラを弾丸のように放ち、遠くに離れた味方を回復する方法を覚えて貰う」
「はい! 分かりました!」
アーシアはアザゼルの言葉に力強く返事をする。その返事に満足してアザゼルは次に小猫と黒歌を見る。小猫のメニューに関しては簡単にしか作っていない。何故なら、小猫は今回、姉である黒歌から直接、仙術の修行をつけて貰う予定だからである。
「小猫のメニューに関して俺は『戦車』としてのものしか書いていない。後はお前らが自由に考えてやってくれ。頼むぜ、黒歌」
「白音が仙術に怯える様になったのは元はと言えば私のせいにゃ……だから、私が責任をもって教えるにゃ」
「……私も頑張ります」
「よし、じゃあ頑張りな。さてと……ラストはイッセーだな」
そう言って、イッセーの方にニヤリと笑って向くアザゼル。そんなアザゼルの様子に思わず何かがあるのかと身構えてしまうイッセー。アザゼルはそんなイッセーを無視してソファーから立ち上がりリビングの窓に向かっていき大きく開け放つ。その瞬間、巨大な振動がイッセー達を襲う。何が起きたかが分からず取りあえずイッセーが窓の外を見てみるとそこには巨大なドラゴンが居た。
「おい、アザゼル。まさかあのポカンと口を開けて俺を見上げている小僧がドライグを宿しているのか?」
「ああ、そうだぜ、あいつが今代の赤龍帝だぜ―――タンニーン」
タンニーン、それが巨大なドラゴンの名前だ。元龍王であり、魔 龍 聖と謳われるドラゴンにして悪魔に転生した最上級悪魔である。そして今回イッセーに修行をつけるのはこのタンニーンなのである。このタイミングで現れた事でそのことに気づいたイッセーは軽く顔を引きつらせるがすぐに頬を叩いて気合を入れなおす。自分は友を連れ戻すために強くならないといけないのだと。
「タンニーン! 俺を鍛えてくれ! 俺は強くなって友達を連れ戻さないといけないんだ!」
タンニーンに向かってそう言って深く頭を下げるイッセー。そんな様子をタンニーンは興味深そうに見つめて口を開く。
「……小僧、名を何というのだ?」
「兵藤一誠だ」
「今代の赤龍帝は中々面白そうだ。リアス嬢、その辺の山を好きに使うが……良いか?」
「ええ、いいわよ」
タンニーンはリアスから山の使用許可を得るとすぐにイッセーをその巨大な腕で掴んで飛びたっていった。イッセーはその腕の中で若干の恐怖を感じながらも強くなる覚悟を決めていたのだった。
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