三十八話:偶には旅もいいよな
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とに」
そう、バカバカしいのだ。守りたい人達を守れる力があるのにそれを使わずに失って後で後悔するなど余りにもバカバカしいのだ。守れるなら使ってしまえばいい、所詮、力は力でしかなくそこには良し悪しなどない、それをどう使うかが重要なのだ。朱乃はそう思う事にしたのである。そんな朱乃の返事にアザゼルは満足げに頷き、次に祐斗を呼ぶ。
「お前は神器の禁 手の持続時間を伸ばすことが課題だ。時間はそうだな……最終的には一ケ月続けられる様になれ」
「わかりました」
「それとだ……これは出来たらだがお前の中にあるもう一つの力も使える様になれ。詳しくは紙に書いてある」
祐斗はその紙を見て少し驚いたような顔を浮かべるが直ぐに納得して下がっていく。そして、次は待っていましたとばかりに進み出るゼノヴィアである。そんなゼノヴィアに対してアザゼルは少し厳しめの言葉を投げかける。
「ゼノヴィア、お前は今以上に聖剣デュランダルに慣れろ。今のお前は完全にはデュランダルを使いこなせていない。それと少しはテクニックを磨け、お前はパワー一直線過ぎる」
「むぅ……しかし、パワーこそ私の強みだ。それを今更変えろと言われてもだな」
「変えるんじゃない。付け加えるんだ。今のままじゃ相手に一撃も与えられないまま終わるのが関の山だぞ」
そう言われてゼノヴィアはヴィクトルにやられたことを思い出す。確かに何も出来ずに瞬殺であった。コカビエルにしても当てることが出来なかった。どれだけパワーがあっても当たらなければ意味がないかとゼノヴィアは渋々といった感じで頷き、紙を受け取ってから元いた場所に戻る。
そんなゼノヴィアの次にアザゼルは未だに段ボール箱の半径一メートル以上には出られないギャスケルを見る。アザゼルに見られたギャスパーはビクッとして段ボール箱の中に逃げ込みたくなるがそれを何とか抑えて立ち止まる。
「ギャスパー、お前は引きこもり、対人恐怖症を克服、さらには神器の更なる操作を可能にしてもらうぜ。そのための専用プログラムは組んでやった。頑張れよ」
「は、はいですうぅぅ!」
コクコクと凄い勢いで首を縦に振るギャスパーにアザゼルは若干、苦笑いを浮かべながら紙を投げ渡す。これは別にぞんざいに扱っているわけではなく、近づいたらギャスパーが逃げてしまっていつまでたっても渡せないという理由での苦肉の策である。
そしてギャスパーの次は同じ『僧侶』のアーシアである。アーシアの修行についてはアザゼルは少し悩んでいた。アーシアは優し過ぎる程に優しいので敵であっても傷つけることは出来ない。その為にアザゼルはとにかくアーシアには回復の術を広げさせようと考えた。
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