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鎧虫戦記-バグレイダース-
第013話 脱獄のハトレイ
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全員の後ろでそうつぶやいた。
それを無視して、セキレイは掛け声を出した。

「せぇーのッ!いけハトッ!!」 
「おりゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああッ!!」
「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッ!!」
「せりゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああッ!!」


 ドガアアアアァァァァァァァァァァァァァァァアアアンッ!!


堅牢な入口の壁が粉々に砕かれ、間からは鋭く日が射した。
全員はしばらく目を開けることが出来なかったが
ようやく慣れて来て少しずつ目を開いた。


「た、高ぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」


あまりの衝撃にセキレイはそのままの事を叫んだ。
日の光は、はるか頭上から射しているものだったのだ。
それも、円柱状に大穴の開いたような場所の頂上からだった。
全員はしばらく何も言えなかった。

「‥‥‥これを登るの?」

綺麗ともいえるほどツルツルな壁面を触りながらハトは訊いた。

「さすがに無理があるわね‥‥‥‥‥」
「じゃな。さすがに無茶すぎる」

円柱状の場所は出口まで500m以上あるように見える。
ジャンプや何かで行くには壁が垂直すぎる。
これはもう、万事休すである。

「できたならワシがカツコを担いで行きたかったんじゃがなぁ」
「ウフフ、でも今は止めといてね」
「分かっとるわぃ」

ちょっとカツコが残念そうな顔をしたのは気のせいか。
そうジョンは心の中で思ったが呑み込んだ。

「‥‥‥‥‥‥セキレイお兄ちゃん」

肩の上に避難していたセキレイにハトは話しかけた。

「ん?何だ、ハト」

セキレイはハトの耳に向かって答えた。

「私‥‥‥‥‥飛べるかも」
「ん、跳べる?」

ハトは吹き抜けのようになった上を見上げたまま
もう一度同じことを言った。

「私、飛べるかも!」

そう言うとンググ、と全身に力を込め始めた。
すると、肩甲骨の上、肩の関節の近くから何かが生えて来始めた。

 メキ‥‥‥メキメキッ‥‥‥‥‥

それは少しずつ大きく広がっていき
最終的に全ての鳥類が持つ、あの器官へとなった。


 バサァッ!!!
 

「おっきな翼ッ!!」

ハトはそう大きな声で言いながら
真っ白な翼を羽ばたかせた。

「そうか!その羽で飛ぶのか!!」

セキレイの中のジャンプによる跳ぶと
羽ばたいて飛ぶ事の誤解がようやく解けた。

「分かったわ!あとは二人の力を合わせれば‥‥‥‥‥」


「″重力無効《ゼログラ》″!!」
「いっせーのーせッ!!」


 バサァッ!!!


大きく翼を羽ばたかせ、セキレイ達は空を飛翔した。
そして、一直線に天井の出口
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