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鎧虫戦記-バグレイダース-
第013話 脱獄のハトレイ
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突き付けられるようで‥‥‥‥‥胸が苦しかった。

「‥‥‥‥‥そっか」

ハトはそうつぶやくと、目を手の甲でごしごしと擦った。
そして、再び前を向いた。

「私も頑張らないと!」

彼女は両拳を握り、気合いを入れて言った。
カツコも、ジョンも、前を向いていた。

「‥‥‥‥‥そうだなッ!」

なら、前を向くしかない。現実から目を背けるわけじゃない。
それを背中に背負って、それを受け入れたまま走り続けるのだ。
それが‥‥‥‥‥今を生きるおれ達に出来る事だった。

「着いたわよ!」

先程も見た巨大な無機質の壁が、おれ達を蔑んでいた。
出られるわけがない、そう嘲笑いながら。

「ハト。さっきの巨人になるヤツ、まだ使えるか?」
「‥‥‥‥‥‥‥大丈夫。全然、大丈夫だよ!」

 
 バシュウウゥゥゥッゥゥゥゥゥゥゥゥウウウ!!


ハトは″巨人制御《ギガンティックコントロール》″を使用して
再び15m程の大きさに巨大化した。

「よし。ところで、ハトは身体を変身できるのか?」
「‥‥‥‥‥‥うんッ!」

ハトは変身させた手の指を曲げたり伸ばしたりしながらうなずいた。

「ハト!それでこの壁を殴ってくれ!」
「えぇッ!?私のパワーじゃ壊せないよ?」

セキレイからそう言われて
ハトは右手を左手で包むようにして答えた。

「心配すんな!お前の手はおれがガードする!
 とりあえず俺を拾ってくれ!」

ハトは腰を曲げて、足元に手を伸ばした。
そこにセキレイが乗ったのを確認して再び腰を伸ばした。

「俺の″超重堅鋼(ヘビメタ)″がお前の拳を守る!」

 ガキキキキン!!

ハトの拳が硬質化した。それを開いたり閉じたりした。
小さくカチカチと金属同士が当たる音が聞こえた。

「私たちも手伝うわ!」


 ブワァァァァッ!! ギュルギュルギュル!


カツコは太い棘を伸ばして、それを複雑に巻いていった。
そしてとてつもなく巨大な薔薇の腕が完成した。

「〔巨棘の豪腕(ストロングローズ)〕!!」

カイエンも今あるありったけのエネルギーを
″パーシヴァル″に流し込んだ。
灼熱の炎が巨大な長剣を造形した。
それは〔灼熱巨剣(ブレイズソード)〕より細身だが
熱密度はそれをはるかに上回るものだった。

「〔灼蓮極剣(ブレイズカリバー)〕!!」

みんなが技名を言っていたのでハトもとりあえず言ってみた。

「え〜っと、〔カチカチパンチ〕!」
「いや、それはねーだろ!」

 ビシッ!

セキレイは手の上でツッコんだ。
ハトは頭の後ろに手を置いた。

「俺もそんな攻撃に使える能力が欲しかった‥‥‥‥」

ジョンは
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