第013話 脱獄のハトレイ
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い。
確実に、ゼロが剣を振り抜く方が早いだろう。
このまま、彼は消し炭にされるのを待つだけなのか。
?うおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!?
ガギイイイイィィィィィィィィィィィイイイイイインッ!!
青い機体が彼の運命を変えた。″レヴィアタン″である
両腕に巨大な瓦礫の塊を持って、機体の右側で剣を挟み込んでいた。
「ボブッ!!」
?うぐッ‥‥‥‥‥いいから早く逃げろ!!?
″レヴィアタン″は熱により腕が瓦礫と融合していた。
全身は赤く熱を持っており、いつ弾け飛んでもおかしくなかった。
「でもッ!お前はどうするんだよッ!」
?言ったろ‥‥‥‥“お前らをここから出す”。
これが俺の最後のミッションだ?
「それって‥‥‥‥ッ‥‥‥‥」
彼が命を懸けてゼロを押さえることでセキレイたちを逃がす。
その先を理解したセキレイは拳を握りしめた。
そして、彼は覚悟を決めた。
「すまねぇ‥‥‥‥ッ!‥‥‥‥」
そう言って、セキレイはカイエンと灼熱の戦場から退避した。
ゼロは必死に剣をこちらに当てようとしているが
ボブは万力の様に力を込め、完全に抑え込んでいた。
「なら、貴方から焼き切ってくれるッ!!」
ジュオオオォォォォォォォォォォォオオオオッ!!
?ぐああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!?
″レヴィアタン″の脇腹に剣が深々とめり込んだ。
ボブの全体を焼き焦げそうな熱量が襲った。
ボフッ‥‥‥‥
「‥‥‥‥なっ!しまった!!」
しかし、ここで全ての力を使い果たしたらしく
炎が消滅してしまった。ゼロはそのまま落下するしかなかった。
?‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥?
ボブは黒く焦げて張り付いた指をレバーから引き剥がし
カメラの一つを操作した。その先には
小さな希望が自由へと駆けて行く姿が見えた。
後は、壁を壊すだけだ。それを願って彼はゆっくりと目を閉じた。
?任務‥‥‥‥完了‥‥‥‥‥‥‥?
ただそれだけをつぶやき、青い機体は暗闇へと落ちて行った。
**********
『ボブ‥‥‥‥あんたの命‥‥‥‥決して無駄にはしない!』
セキレイはカツコたちと入口まで走りながら、そう誓った。
ハトは浮かない表情をしていた。おそらく悟ったのだろう。
「おじさんは‥‥‥‥‥カッコ良かった?」
ハトは滲んだ目でそう訊いてきた。
セキレイは一瞬悩んだが、すぐに答えた。
「あぁ‥‥‥カッコ良かったよ‥‥‥‥‥‥
ボブはあの戦場の中で最も熱く燃えていた‥‥‥‥‥‥」
それ以上は言えなかった。それ以上話していると
改めて現実を
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