1部
36話
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言っているんだ。始めに言っておく、俺が技を掛けたら最後、必ずギブアップしろ」
剣はテンテンの余裕の態度にイラつきながらも、脅しのつもりでやっているであろう警告をする。
「あーその台詞、そっくりそのまま返すよ」
彼女は彼の脅しに心底ウンザリしたような表情を浮かべ、ハヤテの方に早く合図をしてくれというように視線を向ける。彼女の要望を受けてか、ハヤテは両者の用意が整うと同時に試験開始の合図をした。
「速攻でケリをつける!!」
剣はテンテンの方に一気に距離を詰めようとしたが、その時点で彼女は試験場の天井まで跳び、そのまま両脚にチャクラを纏わせて張り付いていた。
そして、彼女は巻物からまるで槍で出来たサボテンのような忍具を取り出した。
それを見た上忍達は先程の彼女の質問の意図を察したらしく、彼女に一斉に視線を向けた。そして、これから何が起こるか知っているネジとリー、私、先生は自衛のために防御を固める。
「蜘蛛の糸、起動」
テンテンのその言葉と同時にサボテンは爆発し、周囲に鋼線で繋がれた槍を無差別にばら撒いた。上忍達は観客席に当たるであろう槍を弾き飛ばし、槍はそのまま試験場のありとあらゆる壁に深々と突き刺さった。
対戦相手である剣も何とか対応したらしく、槍による傷はなかったものの周囲に突き刺さった槍で囲まれた。
ふむ……随分と運がいいな。
「こんな子供騙しの忍具で俺を仕留められると思ったのか?」
彼は嘲るようにそう言って天井にいる彼女に視線を向ける。
テンテンは特に返事をせず、試験場の張り巡らされた鋼線の上に立って彼を見下ろす。そのまま彼女は別の巻物から極細の糸に繋がれた起爆札付きの苦無を左右の手に三本、合計六本を投げ放つ。
苦無は糸に流された彼女のチャクラによって動き、瞬時に剣を包囲する。
「さて、この鋼線は岩くらいなら簡単に切れる位の切れ味はあるよ?私みたいに爪先にチャクラを流しでもしない限り、人なんてバラバラになる。どう、降参する?」
「残念だったな、俺は肉体を改造し、全身の関節外した状態でもチャクラで体を操れるんだよ。こんな鋼線程度潜り抜けられないと思ったか!!」
剣はその宣言通りに体をタコのようにくねらせつつも、スピードを損なわぬまま鋼線の間に手を滑り込ませて、テンテンに接近しようとする。
「あーあ、言ったでしょ?君の台詞そのまま返すって」
「……えっ?」
テンテンに向けられていた剣の腕は彼女に届く前に、サイコロステーキのようにバラバラの肉塊と成り果てた。その激痛に体を操っていたチャクラが一瞬途絶えたのか、彼は体勢を崩し、そのまま岩をも断ち切る鋼線の網に落下していく。
「ここまでだね」
テンテンは即座に蜘蛛の糸を巻物に仕舞い、剣は肉塊に変わる前に何とか助かったものの、既にその四肢は無惨な
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