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【IS】千万回負けても、諦めない。
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ていく。

「んん?」
「あれ?」
「これは……!?」

改めて晒したその姿は――なんか見覚えのある形。
鎧武者を思わせる非固定浮遊部位に動物の耳を連想させるECCMセンサ。
和のテイストを保ちつつも、地に足の着いた安定性と可動域の広さで接近戦で真価を発揮する名器。
その名も――!

「打鉄?」
「打鉄、だな」
「打鉄……ですね」

どこからどうみても第二世代IS「打鉄」そのものである。
細部に変化はあれど、一目でわかるほどに打鉄だった。一同呆然である。
しばしの無言の末、研究者の一人がぼそりと呟く。

「つまり、彼にとって最適なISの形状は打鉄で間違いないと」
「結局打鉄になるのかよぉぉぉぉ!?俺達……俺達政府の依頼で新型作れるって聞いてものすごーく期待したんだけど!俺らのデザインしたISが空飛ぶ姿とか想像してウキウキしたりしてたんだけど!!聞いてよ、ねえ聞いてよ!!ブレードウィングの配色とか角度とかめちゃめちゃ拘ったんだって、なあ!
!!」
「俺達の……俺達の努力と徹夜に捧げた時間は何だったんだ……」
「我々がわざわざ新型機を開発した意味は!?三日にわたり話し合って決定した名前の意味は!?」
「あーあ、名前発表のタイミングを今か今かと図ってた主任が……」

研究チームの皆さんの絶望と脱力具合が凄い。春の木漏れ日も「うわっ、陰気くさっ」とか言われそうなほどの落ち込みに頭の端っこでカビやキノコが生えちゃっている。リセッシュしなきゃ(使命感)。

「これでは回帰移行(リカレンスシフト)だな。一応組み込んだ第三世代兵装は生きているようだが……」

結局打鉄ちゃんのコアは形状変化で前のISの姿に戻ったため、色々と諦めた研究チームだった。

「たっちゃん!打鉄ちゃんが帰って来たよ!帰ってきたんだよぉ!!」
「うわぁ。これはひどい」

泣いて喜ぶ大成を見ながら、たっちゃんこと楯無は深い深いため息をついた。
 
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