第3章 新たなる好敵手
第15話 風神竜の導き
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たが。
「な、何のつもりっ!?」
「えっ、何のって――おわぁっ!?」
遊雅が疑問を口にする間もなく、彼は火凛に強く突き飛ばされた。
この瞬間から、遊雅の方も何が起きているのか理解できなくなっていた。
「わ、私に何をしようとしていたの!?」
「うぇっ!?ち、違う!俺はお前を助けようと――」
「助ける?私はさっきまで宿にいたんだよ!何でこんな所に……あっ」
一通りまくし立ててから、火凛は何かに気付いて急に口を閉ざした。
「そう言えば私……知らない人に、何かされて……」
「……詳しい事は知らないが、燈輝から俺に連絡が来たんだ。ACSの生徒が1人、怪しい奴にさらわれたってな」
「咲峰君が……えっ?っていう事は、君は咲峰君の知り合いなの?」
「ああ。南雲 遊雅って言うんだ」
「南雲 遊雅……って、それって咲峰君が昼間話してた……!」
再び何か重大な事に気付いた様子の火凛をよそに、遊雅は説明を再開する。
「話を戻すぞ。燈輝から連絡が来た俺は、燈輝と一緒にお前を探していたんだ。そして、ついさっきお前をさらった奴を撃退して、俺は気を失ってたお前の様子を見てた、ってわけだ」
「そうだったんだ……咲峰君は?」
「逃げた犯人を追って行った。無事だといいんだが……」
「そうだね……ねぇ、君が助けてくれたんだよね?」
「えっ?あー、まぁ、そう言う事になんのかな?」
遊雅は歯切れ悪くそう言う。
当の本人は、途中から『誘拐犯を撃退する戦い』から『《フレスヴェルク・ドラゴン》の因縁を巡る戦い』にシフトチェンジしてしまっていたため、人を助けたと言う実感がなかったのだ。
そんな様子の遊雅に、火凛は精一杯の笑顔で謝辞を述べた。
「ほんとにありがとう。君が助けてくれなかったら、どうなってたか分からなかったよ」
「ど、どういたしまして。けど、礼なら燈輝に言ってやれよ。お前がさらわれたのに逸早く気づいたのもあいつなんだし」
「うん。あとでちゃんと言っとくよ。あっ、私は霧島 火凛って言うんだ。よろしくね」
「おう、よろしくな」
火凛は自己紹介に次いで、遊雅にこのような言葉を投げかけた。
「咲峰君から君の話聞いて、私、君にすごく会いたかったんだ。だから、嬉しいなっ」
「そ、そうか……ところで、燈輝は俺の事何て言ってたんだ?」
興味本位で遊雅はそのように質問する。
しかし、火凛から返って来た答えは、遊雅の頭を少しばかり混乱させるような内容だった。
「んーっとね……お互いのモンスター達がすごく楽しそうにデュエルしてたって。そんな人と今までデュエルした事なかったから、きっと何かの才能があるんだって」
「……モンスターが楽しそう?」
「そうだよ。あっ、そうだ、出来れば秘密にしておいて欲しいんだけ
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