第3章 新たなる好敵手
第15話 風神竜の導き
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バラムは心の中で、そのように算段をつけていた。
しかし、遊雅は余裕の表情でこう言い放つ。
「……へっ、そいつはどうかな!」
「何だとっ……!?」
「《風神竜の復活》には、もう1つ追加効果が存在する。特殊召喚された《フレスヴェルク・ドラゴン》はこのターン、2回攻撃する事ができるって効果がな!」
「2回攻撃……だとっ……!?」
「《ガード・ブロック》がダメージを無効にしてくれるのは今の戦闘のみ!もうお前の身を守る物は何もないぜ!バトル続行だ!フレスヴェルクでダイレクトアタック!追撃のゴッドバード・ストライク!!」
バラムの上空に控えていた《フレスヴェルク・ドラゴン》が、急降下しながらバラムへ突進する。
その巨体が、バラムの体を勢いよく跳ね飛ばした。
「ぬあああぁぁぁぁっ!!!!」
バラム
LP/1900→0
バラムの断末魔と同時に、フィールドは消滅する。
《フレスヴェルク・ドラゴン》も遊雅の頭上に舞い戻り、1度咆哮してから、遊雅のデュエル・ディスクへ戻って行った。
「……俺の勝ちだ。さぁ、そいつを渡してもらおうか」
「くっ、貴様……これで終わったと思わない事だなっ……!」
バラムは憎しみのあまりに、掌に爪が食い込むほど手を強く握り締める。
そして、唇を噛み締めながら遊雅を睨み付けた。
「遊雅、無事かっ!?」
丁度そこへ、血相を変えた燈輝が駆け込んで来る。
バラムは旗色が悪いと悟ったのか、ローブを翻しながら、森の中へ走り去って行った。
「逃がすかっ……遊雅、彼女を頼むっ!」
「分かった。そっちを頼むぞ、燈輝!」
お互いにそれぞれの案件を任せながら、2人は自分の役割を全うするために行動を再開する。
燈輝は逃げたバラムを追って森の中へ、遊雅はひとまず、火凛の様子を確認する。
どうやら、見える範囲には外傷はないようだった。
次に遊雅は、試しに火凛の体を揺すりながら声をかけてみる。
「おい、大丈夫か。しっかりしろ!」
しばらくそうしていると、閉じていた火凛の瞼が微かに揺れ動き始める。
「ん、んんっ……?」
そして、彼女はゆっくりと瞼を開ける。
そこに広がっていたのは、真っ暗な森の中の景色。
何より印象的だったのが、自分の目の前で安堵の表情を浮かべている、見知らぬ少年の姿だった。
「よかった、大丈夫そうだな」
「え、えっと……?」
何が起こっているのか分からない火凛は、ひとまず、現状を分析する。
辺りに誰もいるはずのない森の中で、恐らく眠っていたか気を失っていたかしていた自分の肩を掴む、見知らぬ男性。
それらの状況から、火凛は自分が置かれている状況を確信した。
もっとも、それは曲解極まりない結論であっ
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