Ah, wann treffen sie sich wieder?
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ってゆっくり語り合いたい』
などと。
狂信的であるとも言い難い。
信者が聞けば即座に狂っているとして裁判にでもかけかねない。
故に彼は己を語らない。そんな己に戸惑いながら生きていくのだと自負している。
己が何者であるかなど、考えてはならないのだと。
外庭へと繋がる扉を開け放つ。
外はいい天気だ。心地の良い空気を吸って風にでもあたればこの思考も少しは和らぐ。
そう思って庭へと足を踏み出した。
瞬間、周囲の風景が変貌―――したように見えた。
黄金の回廊。黄金のホール。そして、黄金の玉座。
目を見開く。
何だこれは。
幻だ。振り切れ。これは、視てはいけないモノだ。
片手で視界を閉ざして、途切れる息を正常に戻そうとする。
途端、
ドンッ
「つ!?」
何かと肩がぶつかり、ハイドリヒは我に返って目元から手を離した。
その視界に映りこんだ、黒い影。
人の形をしている。しているが、何だろうか。
はっきりとしない、その存在感。
「誰、だ―――?」
「―――」
それは目を見開いていた。
驚いて、困惑すらその表情に滲んでいる。
黒く長い髪が揺れて、異国人であるという事だけは解った。
「卿は……」
「―――ぁ、あぁ、道に、迷ったようだ」
それは取り繕ったような微笑を浮かべてそう言った。
ハイドリヒは沈黙し、やがてなんとか平静さを取り戻し、
「道に?」
「はい。この大聖堂はなんとも広大だ。少々庭を眺めようかと道を外れたらこのような」
彼も冷静さを取り戻したのか、なんとも柔和な笑みを浮かべて姿勢を正した。
黒いコートを着込んだその下の衣装はダークグレイのネクタイと制服。
まるで―――かつてのナチス・ドイツのそれのような。
だが軍を象徴するような風貌でもないし、吹けば吹き飛びそうですらある。
「……失礼ですが、ここの神父様でいらっしゃるのかな?」
「!あ、あぁ、この聖堂で神父をしている者だ」
「それはそれは。お美しい神父様だ。さぞご婦人方が騒がれている事でしょうな」
「……」
男の言葉に、ハイドリヒは両肩をすくめてやがて教会内へと引き返し始めた。
「ついて来るがいい。正門まで案内しよう」
「ありがたい。感謝します」
先だって歩き出すハイドリヒの後を、足音も無くついてくる男はやはり笑顔だ。
張り付いたような、だが偽笑でもない。
まるで、
嬉しいのだと心底思っているような。
「―――。卿は……」
「はい?」
「いや……名を聞いておこう。私はラインハルト。ラインハルト・ハイドリヒ」
ハイドリヒの名乗りに、男は一瞬驚いて視線を泳がせて、や
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