ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《1》〜スタート・オブ・カタストロフィング〜
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あるサウンドが鳴り響き、クロエの銃が火を噴く。二丁銃術による弾幕の嵐。
クロエが持つスキル、《処女銃》が擁するソードスキル、《シェル・ザ・シザース》。十三の弾丸が、相手を切り刻む。
クロエには特殊な技能がある。彼女を救った『ドクター』を名乗る人物、彼の手によって授けられた《電子干渉》のスキル。別に能力名はかのルイス・キャロルの小説とは関係が無い……と思う。
とにかく、その能力の内容は、『鋭敏化された感覚で電子空間に干渉し、狙ったところに攻撃を当てること』が可能となる、というものだ。
つまり、この能力込みで放たれるクロエの攻撃は、全てが必中。外れることなどあり得ない――――のだが。
『!?』
「どこへ消えた……!?」
銃からクリスの驚きの声が聞こえる。一瞬、クロエにも分からなかった。
ランが、視界から姿を消していたのだ。瞬時にスキャンをかけ――――絶句する。とっさに、真後ろから突き出されてきた槍を回避。
「あちゃー、外れちゃった」
「そこっ!」
ダァン!
《錆びた銃》が火を噴く。必中を以て放たれたその銃撃は、しかし外れてしまった。
残念そうな顔をして、ランが一瞬で姿を消したのだ。銃弾よりも、なお速く。
――――どこへ行った!?
《電子干渉》のスキャンを掛ける。それによって、種が割れた。
ランの反応が、恐ろしいスピードで移動しているのだ。クロエの能力で必中とするには、『狙わなくてはならない』。だが、ランは今、その『狙う』という行為を完全に封じているのだ。いくら感覚を加速したとしても、それはあくまで『体感の感覚』を間延びさせているだけだ。狙えても、それは『必中』につながってくれないのだ。
せいぜい止まるのは、攻撃の瞬間か。だが、先ほどの加速を見れば、彼女に銃撃を当てるには、こちらもダメージを受ける必要がある。ほとんどダメージを受けない身ではあるが。
だが、そんな面倒なことをしなくても――――移動しているというのなら、対処方法はある。
『……』
《錆びた銃》を頭上に向ける。ソードスキル、発動。
『《ボイルズ・グラビティ》』
ドドドドドドドドドッ!!
鳴り響いた音を形容するには、この擬音がふさわしいであろう。《錆びた銃》の銃口から、数えきれない量の銃弾が発射されたのだ。それは真っ青な空を漆黒で覆いつくし――――重力を纏って、落下を始めた。
オールレンジ攻撃。避けられる相手などいない。
その全てが、大地に突き刺さったその時――――
『なん、で……ッ!!』
クロエは、柄にもなく
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