ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《1》〜スタート・オブ・カタストロフィング〜
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ている――――
そのことに、さしたる驚愕は湧かない。それよりも、どうやったらこの男を殺せるのか。そのことが頭の中を駆け巡っていた。
単純な異能はどうも効かないらしい。ならばその能力すらも無効とする結界を張り巡らせて、こいつを封じ込めてから悠々と殺すか。その状況ならば、自分だけが能力を使える――――
「やだなぁ、全能の神候補ともあろうものが、僕の術中にしっかりはまっちゃって」
「……!?」
「単純な話さ。なぜ今、キミは僕を殺したがっている? 別に僕みたいなウザくてよく分からない存在何て、さっさと無視しちゃえばいいじゃない。デュエル大会、エントリーしてくれてるんだろ? キミほどの人物ならば、早めに到着して、他の剣士達を徹底的に叩き潰す為にさらなる修練を積むだろう」
「……それは……」
「それに、友や強者との戦いでのみ発露するはずの君の感情はどうした? さっきから揺れ動きっぱなしだ。僕と言う唯々小ズルい事しかできない《弱者》に、どうして君は戸惑っている?
単純な話だ。キミは僕を超えられないのさ。キミと僕には『願われる神』と『願う人』という、絶対的な立場の差が存在しているからだ。僕は人に在って人に在らず。だがしかし、《銀の司祭》の設定を知る一介の読者として、神々に願うだけの力なら持っている。
キミはね、僕と言う下位の存在が、上位存在であるという矛盾した状態に気付けていないのさ。僕は下位存在を全て従えることができる。対して、上位存在すら跪かせることができる」
何を言っているのか。
何がしたいのか。
理解できない。この長いくせ毛を垂らし、へらへらした笑いをうかべた不気味な男は、一体何の目的で自分に話しかけてきたのだ。
「……結局、俺に何の用なんです?」
「うーん、せっかく色々設定を語ってあげたのに……全部知ってるからいいって? 残念、存在しないことは知らないだろ? まぁ、今は僕も【存在している】わけなんだけど――――そこが、キミに話しかけた理由さ」
「……?」
やはり理解はし難かった。確かに、この男の持つ技能は、タツの知るあらゆる技術と異なるようだ。目にしたものなら即座に己のモノと出来るはずの《全知全能》が、この男の技能を感知できていない。異常事態だ。そんなことはあるはずがないのにもかかわらず。
「僕はね、存在していない場所から来た、存在していない存在だ。キミに触れるためには、この世界に存在しなくてはならない。存在しない技術を使っているならば、キミが干渉できないのは道理だろう?」
「……ですが、もう貴方はそれを使ったはずだ。ならばなぜ俺の力で掻き消えないのです」
「単純。言ったろ? 『存在していない』ってね。まぁ、今は僕はキミと話す為にここに居る。そのためにはこの体を守らなくては
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