ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
Round《1》〜スタート・オブ・カタストロフィング〜
[1/12]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
その日。SAO経験者たちの元に、一枚の招待状がばらまかれた。
『デュエル大会やるぜよ。やりたい奴カモン』
仮想世界の戦闘狂どもは沸き立ち、当日には用意された結晶を使い、ホームとしているVRMMO……多くのプレイヤーが《アルヴヘイム・オンライン》である……から専用のフィールドへとダイブした。
このデュエル大会の裏に、一体何が存在しているのかを、知りもせずに――――
***
ワールド・カタストロフ〜クロスクエスト〜
***
SAOにおいて、《タツ》というプレイヤーネームを名乗っていた青年は、今現在今一よく分からない状況に眉をひそめていた。
タツの本業は《神》である。ギリシアの主神《ゼウス》の系列に連なる天空神系統主神の属性を持った、全知全能の神のうちの一人だ。
だがしかし、水晶宮の戦神が、魔剣の覇王に知恵比べで敗北した様に。
普遍的な『神々の王』が、自らの血族の生存を悟れなかったように。
この全知全能の青年にも、やっぱり理解できないことはあったのである。
そう――――目の前で、にこにこ手を振っているカソック姿の青年という、奇怪な存在の事を。
「……誰ですか、あなたは」
「僕かい? そうだなぁ……通りすがりのチーターさ」
「ふざけないでください」
「ふざけてないよー……まぁ、正直なこと話しちゃうと、このデュエル大会の主催者さ」
そう言って、青年は肩をすくめる。はりついたドヤ顔が異常に腹立たしい。基本的には感情に疎いタツだが、この男はどうも許せなさそうである。
発作的に、能力を使ってしまった。
「『お前は死んだ』」
「おっと。【僕」「は」「死なない】」
カイン、と金属のような奇妙な音を立てて、タツの異能――――《真実の言霊》が弾かれる。あらゆる防御機構をぶち抜き、絶対の効能を及ぼすはずの能力が、だ。
師たるギリシアの天空神、ゼウスより賜った、あらゆる事実を記録し、全てを己のモノとし、その本来の使い手を無効とする《全知全能》のスキルをも、この男は無効としたのだ。
「覚えておくといいよ。『正直者』は時に『大?吐き』よりもなお達が悪いのさ。僕の権能――――なのかな? はね。キミ達『創造された者』の干渉を受け付けない」
「それすらも無効化される筈」
「甘いね。神々ですらあくまで人の創造物でしかない。厳然たる『人』である僕は、『神』であると同時に被造物たりえないのさ」
「……意味が解りません」
「分からなくて結構。分からせるつもりがあって言っているわけじゃぁないしね。それに、僕はキミが気に入った。実に気に入ったよ、茅場辰鳴」
己の、人の名前を知っ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ