第2話
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武者修行の旅もそろそろ終わるころ。というか夏休みと冬休みの間だけだったのだが。
すでに俺は中学生となっていた。ランサーの俊敏は正直半端ないものだ。尋常ではない速度で槍を振るうことができる。
俺が普段使うのは十文字槍。昔やった戦国無双の真田幸村がお気に入りだったのだ。
ランサーの速さはチートでもらっていたのでそこそこしか鍛えていないが筋力トレーニングを徹底的に行っていた。
武器と言えば恋だが、方天画戟を気に入っている様子だ。家督に関しては俺に譲るつもりなのでどんな武器を扱おうが良いらしい。
親父も恋には甘いのだ。なんといっても食べているときの恋は普段の十倍可愛い。小動物のようにご飯を頬張るさまは何とも言えない。
親父は川神院には連れて行きはしなかった。川神鉄心とは知り合いらしいのだが時期が来れば川神院の人間と戦わせてくれるそうだ。
原作メンバーであったのは黛由紀江だ。最初に抱いた感想は普通に可愛くて大人しそうな子だった。がひとたび稽古となれば真剣そのもでウチの門下生にはない圧倒的な闘気が包み込んでいた。勝負は俺の勝ちで決着。ホントに人間か?と思えるほどの剣速だが俺は自身の速度で慣れていたため簡単に対処できた。彼女と友達となることができたし原作とは違った性格になっていることを期待したい。
まあ別にどっちでもいいのだけど。
「恋も一緒にいく」
恋がくっついて離れてはくれなかった。
高校は川神学園に行くことにしたのでこの家を出ることになったのだが恋が一緒に行きたいと話してはくれなかったのだ。
「恋ったら相変わらずお兄ちゃんが好きなのね。来年になったら川神学園を受けていいのよ?」
「ううぅ」
母さんの一言で恋が悩みだす。母さんはとっても若々しく見える。親父と母さんを並べて夫婦だと言われても警察に連絡するだろう。
正直親父が母さんの父親でも通るんでは?と思えるくらい若く見える。高校の制服を着ても違和感がないんじゃ・・・。
「長期休暇になったらこっちに戻って来るからさ。いい子にしてろよ?」
恋の頭をポンポンと触る。撫でてやると気持ちよさそうに目を細めた。
「龍夜、お前は楽しんで来い」
川神に向かう晩の話である。
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