暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth21神よりの告知は絶え、そして天地の礎は起きた〜?.TEMEN.AN.KI〜
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ならば地獄をその目で見ろ、その魂に刻め、そして絶望の底から這い上がって見せろっ。それでも自分を確固として保てたのなら、少しは私に近づけるだろう!」

百年も生きられない人間に、私が背負った2万年の地獄と同じ絶望を経験をさせるのは不可能だ。だから勝てないんだよ、私には。背負ってきたものの重さ、数、そのすべてにおいて私を勝る存在などいないんだから。

『ぬぅぅ・・・俺も地獄などこれまで多く見てき――』

「そうか。だが足りないな。だから人間を辞めろと言うんだ。人間に許された時間など、あまりに一瞬なんだから」

いい具合に壊れてきたミナレットを見下ろし、第四波の攻撃に移る。

「母なる海より空に流るる水龍は天に座して槌と化し、汝を押し潰し砕く杖刑に処さん」

水塊から鉄球のような水の槌を落とし続ける。着弾したところは大きく凹み、少しずつミナレットを潰していく。水槌のいくつかが回転床に大きな穴を開け、ミナレットがガクッと大きく傾き、砲口が空に向かう。
反射鏡弾フェイルノートと砲撃カリブルヌスでならまだ悪あがきくらいは出来そうだが。砲身を集中的に狙い、水槌を落としていく。だが凹みこそすれ折れる事はない。ここまで堅いとは驚嘆だな。水槌の雨を続けるが、やはり折れない。

「フレート・ベックマン。お別れの挨拶をしよう。今からミナレットにトドメを刺す」

『・・・・化け物め・・・!』

「ああ、そうだ。私は、化け物なんだよ」

『??・・・マイスター・・・』

アイリから戸惑いや悲しげな声色の念話が届く。

「『何でもないよ、アイリ。忘れてくれ』・・・詠唱最終節。これで、さよならだ」

掲げていた左腕を勢いよく振り下ろし、ミナレットへと左手を翳す。

「海神の四刑をその身に受け、尚生命を失わず在る汝よ。怖れ慄き震えよ。最後に待つ、真刑の災いを!」

――海神の波瀑(コード・エーギル)――

今まで繰り出してきたエーギルの四刑すべてに加え、空に上る十三方の水龍からも海水の砲撃が放たれ、さらに海面から海水の槍が8本と突き出された。ミナレットを全方位から集中砲火。これでダメなら・・・・真技?って不可能だな、発動したら記憶どころか体が消滅しかねない。
だがそれは杞憂だった。エーギルの効果が絶え水煙が晴れると、完全に沈黙したミナレットの悲惨な残骸が視界に映った。2つの砲身は完全に折れ、もう2度とその猛威を奮う事は出来そうもない。

『終わったね、マイスター』

『ミナレットだけはな。今度はイリュリア王都に攻め込むぞ。オリヴィエ王女殿下たちなら問題ないだろうが、王都にはエグリゴリが居る』

みんなには悪いが、“堕天使エグリゴリ”を優先させてもらおう。ついでにエテメンアンキも潰しておくか。これからのベルカに
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