手段は選ばない〜自分のやり方〜(ルパン三世/オリキャラ)
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うものは過ごしていた。
でも実際は自分が嘘を吐いて、感情を隠して作った友人だ、本心を述べてしまえばきっと離れていくだろう。
偉そうにする人間が嫌いなだけであって、人間が嫌いと言うわけではない。
だから素直に話していたらこんな風に堕ちなくても良かったのだろう。
自分が話してしまって友人が離れて行くのが嫌だと思ってしまったのだから、話す事も出来ずにこうやって盗みを働いて、気を紛らわせている。
そうすれば、友人が離れる事も無く、いつもの様な日常を過ごせると勘違いしてしまった。
『お前の母さん泣くぜ? こんな事してんのバレんのも、お前が望んだ事じゃないだろ』
『泣きも笑いもしないに決まってるだろ』
もう、死んでるから。
そう言いたかったのに、口を開けば泣いてしまうと思い、視線を逸らした。
周りの大人は親が居ないから可哀想、可哀想と何度も同じ事を言い、誰も助けようとはしないそんな大人ばかり。
本当に可哀想と思うのなら、優しくして欲しいと思うだろう。
『そんな顔するお前さんに盗みは似合わねぇよ』
優しく言われた言葉だった。
冷たい風が肌に触れ、髪からすり抜けていく感覚を覚えつつ、自分に放たれた言葉に拳を作る。
『何も知らない癖に、偉そうに言うな。お前だって腹の中では嘲笑ってんだろ、俺のを事を知ってからそんなセリフ吐けよ』
睨みつけながら放った言葉は日頃の不満も巻き込まれていた。
日頃不満が多いから不満を解消する為に盗みをし、盗めた事に快感を覚え止められなくなる。
物に興味はない、盗む過程が最高に楽しいのだ。
盗んだものはその辺りに捨てているので、元の持ち主か警察にいっているだろう。
そんな事はどうでも良かった。
ただ、自分が満足できればそれで良かったのだ。
『お前は俺の何を知ってる、俺が普段何を言われ、どう過ごしてるかなんて知りもしない癖に盗みは似合わないだって? 笑わせるな』
ギルティはルパンに拳銃を向ける。
『撃てやしねぇよ』
――パァン、銃口から煙が上がっている。
ルパンは撃たれていなかった。
ギルティが持っている拳銃は確かに発砲したのが、ルパンに対して撃った弾は外れていた。
『だから言っただろ、撃てやしねぇって』
『予言者かよ……』
諦めたように銃を捨て、その場に座る。
本当に敵わないと判断した。
ルパンは筒を持ちながらも煙草に火をつけて、空を見た。
『お前の事は何も知りやしねぇ、けどな、お前さんが足を洗ってイイ男になったら、良いモンを見せてやる』
どんなものだろうかと思いつつもギルティは溜息を零した。
本当に、敵いっこない。
『そん時はまたコレを盗みに来い、元の場所に返しておくからよ』
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