手段は選ばない〜自分のやり方〜(ルパン三世/オリキャラ)
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味が理解できずにいる。
無論、次元、五右ェ門、不二子は理解しているのだが、此処にもう1人理解が遅れている少年が居た。
「約束って、誰かと約束したのか。ルパン?」
「おいルパン、本人が忘れてやがんぜ」
「覚えてねぇのも、無理はねぇよ。まさかあん時のがお前だったとはな――ギルティ」
聞いた事のある名前に恋也は身構えた。
自分が、此処に来たことあるのは1人で盗みを働いている時だった。
腕試しに忍び込んで見たのだが、ルパン三世に見つかり、宝を持っていかれた。
その時は特に悔しいとも憎いとも思わなかったのだが、ルパンにまさか『そんな顔するお前さんに盗みなんて似合わねぇよ』と言われるとは思っていなかったが。
大分暴言を吐いた記憶があるが、それでもルパンはギルティという偽名を使っていた恋也を撃つことは無かった。
それは彼の持っているものとも言える。
それだけルパン三世は器が大きく、余裕があるのだろう。
「言っただろ、お前がイイ男になった時に良いモンを見せてやるって」
ルパンの表情は笑っていた。
**
『まさか、ルパン三世に盗まれるとは俺も思わなかったな』
『結構噂になってたから、腕試しって事で様子見させて貰ってたけどな』
『悪趣味な奴』
『お前が言うなよ』
屋上で話しているのにも関わらず、警察は居ない。
誰も予告状を出してはないのだから当然なのだ。
ルパンは噂になっているギルティ・クランという少年とただ腕試しをしていた。
自分の気配に気がつけば結構な実力があるのだろうと思っていたのだが、盗みを始めたのが最近なのか、落ち着きはあるがプロとは呼ぶことは出来ない。
『よく俺が此処に来る事が分かったな』
『大人はこわーいからねぇ。子供が遊び心でやってるからこうなるんだって、ママに教わらなかったか?』
ちょっとした挑発だったのだろう。
その挑発は少年にしてみれば、最悪な挑発なのだが。
『残念だけど教わった記憶はないな。それに俺の母さんはそんな事言わないって事ぐらい調べておけよ』
それが唯一自分が平常で居られるための建前だった。
自分の中では分かっていても、体が反応する時がある。
無視すれば良いのに、無視が出来ない。
人はそれを「弱い」や「思いやりがある」と片付けてしまう。
確かに言っている事は正論だが、その人に本人にとって本当に「弱い」のか「思いやりがある」かなんてものは、長い間一緒に居て分かるものだ。
それを知っていますよという風に言う同年代や大人が少年、恋也は嫌いだった。
何も知らない癖に偉そうに言葉を並べる人間が嫌いで仕方なかった。
それでも学校に行き、そういった感情を隠して友人を作って「楽しい」と言える日常とい
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