手段は選ばない〜自分のやり方〜(ルパン三世/オリキャラ)
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「もうおせぇよ」
不意に不二子からルパンの声が聞こえる。
まさか、と思っても遅かった。
ビリビリと不二子(変装)が捲られていく。
恋也の目の前には見慣れた男の姿がそこにあった。
「ル、ルパン……」
逃げようと後ろ手で鍵を開けようとしても、それを阻止される。
服も作った物なのか、いつの間にか教師としての服を身に纏ったルパンが目の前に現れ、一歩後ろに下がれば、ドアにぶつかる。
「何で、不二子に化けて……」
焦っている恋也は自分が言った事も忘れて、この場から逃げ出そうと必死になっている。
「お前さんが言ったんだろ? 自分のやり方で俺を惚れさせてみろってな」
図星の表情を浮かべる。
どう考えても、自分が言ったことなので、逃げることは出来ないと感じ、その場に崩れる。
「……完敗だ」
負けた。
簡単に言ってしまえば負けたのだが、掌の上で転がされているようで、自分の無力さを知り、どうやっても勝てないというのが何だか酷な気分になる。
「俺の負けだ。やっぱりアンタには敵わない敵いっこない」
条件は『恋也を惚れさせた方が勝ち』。
とっくに結果が分かっている勝負など、誰もしようとは思わない。
それなのにこの男は勝負を受けた。
初めから知っていたのだ。
恋也がルパンに惚れている事など、知っていて知らない振りをして、勝負に挑んだ。
「お前から本心が聴けるとは思わなかったけどな」
肩を竦めながら言うルパンに対し、恋也はドアに凭れながら「だから諦めが早かったのか」と呟いた。
「ご名答。お主もまだまだ修行が足りぬぞ」
指をパチンと鳴らして、ルパンは恋也に指を向ける。
その瞬間恋也は何を思ったのか、顔を赤くした。
「って事は俺、ルパンとキスしたのか……」
「今頃気付くの」
ガックリと肩を落とし明らか落ち込んでますという雰囲気を出しつつも、恋也は口元を手で押さえ、視線を逸らしていた。
その様子を机に腰掛けて見ていたルパンは頬杖を付きながら、「でだ、恋也。今回やれそうか?」と尋ねる。
「やるに決まってるだろ!」
ほぼ反射と言って良いほど後先考えずに発言した。
**
「信じらんない! 私が眠らされる間に決着つけるなんて、ルパンの卑怯者ー!!」
「言ったでしょ? 今回の仕事は厄介なんだって……」
「知らない」
完全に愛想尽かされたなと恋也はぼんやりと思いながらも、テーブルの上にあるカップに手を伸ばしミルクティーを口にする。
本当に何故ルパンに惚れたのか、自分でも分からないぐらい今のルパンは惨めだと言える。
「そこまでにしといてやれ」
次元の一言で不二子は渋々と言う形でルパンを殴る手を止
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