ひねくれ者と大泥棒(ルパン三世2nd/オリキャラ)
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ろう。
どんなに周りが優しくて、誰一人悪口を言わなかったとしても、一度言われた事は頭から消えることなく、そこに居座り続ける。
興味が無い事は忘れ、興味があること感動を受けた言葉、傷ついた言葉はどれぐらいの時を重ねようとも消えることが無い。
「おじさんに言えねぇってか?」
ルパンは子供に近付いて、見下ろすように子供を見つめる。
その瞳には少なくとも笑みなどは含まれておらず、若干怒気が含まれつつある。
もし、子供が口を開けば、ルパンは笑顔になり口八丁に喋るだろう。
もし、このまま子供は喋らずに居れば、想像しただけでも身震いがする。
「無理矢理口を開かす事ぐれぇ、できんだぜ?」
そう言いながらルパンは懐からワルサーを取り出した。
銃口は子供に向けられている。
子供は悲鳴も上げないし、顔色1つ変えない。
「このままこの俺に撃たれて悲鳴上げるか、自分から話すかぐれぇは選ばせてやる」
少しの沈黙。
子供は困ったような表情を浮かべつつ、一旦俯いて暫く、といっても2、3秒ほどしてから顔を上げた。
その表情はどこか心に決めたような、覚悟をした顔をしていた。
「……分かった」
ぽつり、子供の小さな口が動いた。
その声は普段耳にする声よりも若干高くて、子供独特の声の高さをしてた。
ルパンが初めて子供の声を聞いた事になるが、そんな事に喜んでいる場合ではなく、子供の様子が可笑しいことに目を疑っていた。
「自分で……話す、から……」
何かを訴えたい、そういう気持ちでいっぱいなのだろう。
プルプルと身体中を震わせ、まるで銃口に怯えるように半歩後ろに下がっていた。
「撃たねぇって、そうビビるなよ」
おちゃらけてワルサーを仕舞ったルパンだが、子供はそれでも表情を変えることはなく、さっき一瞬見せた覚悟を決めた顔はどこへ消えたんだというほど、子供は首をイヤイヤと言うように、横に振っていた。
一体どうしたのだろうと、ルパンは子供の目線に合わせるようにしゃがみ込み、「どうしたんだよ。普段のお前らしくもねぇ」と子供の頭を優しく撫でている。
撫でられている事にほっとしたのか、子供はゆっくり息を吐いた。
「今はそうでもないけど、昔は人前で話すのが嫌だったんだ」
どこか遠く、昔を懐かしむようなそんな表情に切り替えて、子供は空を見ながら呟いた。
空は雲ひとつ無い晴天で、子供に迷いがないそんな事を思わせる程の、晴天だ。
「人前で話すと人は必ず、俺を不気味に扱った。子供らしくないだとかひねくれてるだとか、化け物だとか、そんな事を散々言って離れて行った――」
「だから話さなくなったのか?」
続きを言ったのはルパンだ。
子供は続けようと口を開いた途端
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ