ひねくれ者と大泥棒(ルパン三世2nd/オリキャラ)
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いなかったんだと、理解する。
「その格好で居るのもアレだろ、まず服買いに行こうぜ」
ルパンの提案で、子供とルパンが服を買いに行くことになった。
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「おめーは何で喋らねぇの?」
ルパンが不思議そうに子供に尋ねた。
何故、一言も喋らないのか、不思議に思って仕方が無い。
だから聞いてみたのだが、子供は答える素振りは見せない。
此方の言っている事は理解しているようで、首を振ったり、頷いたり、首を傾げたり等の動作はするものの、言葉を発する事はしていない。
一度言葉が話せないのでは、と五右ェ門から言われその線も考えたのだが、話せるのかどうかを確認したところ、頷いたため話すことは出来るが、話そうとはしない、という結果に至ったのだ。
「喋らねぇと色々酷だろ。そのぐれぇの歳なら、言いたい事も山ほどあんだろうに」
急に真面目になって、声を出したルパンに子供は視線を上げ、ルパンを見つめる。
それでも言葉を返す事はなく、首を振って答えを出した。
「あぁ、そうかよ!」
少し怒ったようにルパンが素っ気無く返事をして、わざと子供に合わせていた歩幅を大きくし、普段自分が歩いているペースで歩き出し、子供を置いていくようなそんな光景を作る。
子供は泣き叫ぶ訳でもなくただルパンについて行き、自分のペースで歩いていた。
「……何で、喋らねぇんだ?」
本日二度目の質問をしながら前を見たまま立ち止まる。
ニューヨークやカジノ街と比べたら比べ物にならない程の田舎だが、この国の規模で見ればかなりの都会の街の中で、いい歳した大人とまだ小学1年生の子供の姿は誘拐犯と、人質みたいだ。
街中は賑やかであちこちがどこかのマンガやゲームのコスプレをしたり、メイド服を着たメイドが店の前で売り込みをしていたり、まるで日本の首都にいる気分を味わう。
けれどそんな都会でも、普通の服装をした者も存在し、普通に学生服を身に纏い、登校する学生や飲食業の制服を着た、店員の声が店の中から微かに聞こえたりと、多種多様な賑わいを見せていた。
その賑わいの中に、端から見れば誘拐犯または親か、人質または子、が距離を空けて立ち止まっている。
子供の服装なんてシャツ一枚で、それ以外身に着けていない。
一目見たときにどう思うだろうか。
きっと『そういう趣味の輩』と思う人の方が多いと思う。
状況を知らないだけあって誤解が生まれ、勘違いされ、軽蔑され、相手にされない。
この子供もそうだった。
話す事を嫌い、怯えていた。
意味がない、ただそう思っていたのだから、小さくなって喋らないのはその考えは、この頃にもう植えつけられていたからである。
喋りたくない、一度そう思ってしまったら口を開く事は難しいだ
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