覚えていないのは、騙されてるから(緑)
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般の高校生には変わらない。
平日があり、休日がある。
明日も学校だというのに、少年に変装したルパンが学校側に海外旅行に行くことになったため、暫く帰って来れないと勝手に言われいた。
「……裏社会の有名人さんが俺に何の用なんだよ」
この少年とルパンの出会いなんて至って簡単なもので、泥棒と巻き込まれた人質と言う関係だ。
その場に居たから人質にされ、銃口を突きつけられたただの高校生――と言う者もいれば、自分がした事が返って来た、と言う者もいる。
「まぁ、オコサマに分かるように簡単に言えば、あの時、何故俺を庇った?」
この少年――六条道恋也は問われたことに、眉を少し動かせば、画面に向けられていた視線を目の前に居るルパンに向ける。
遠まわしにいう事もなく問われた質問に簡単に答える気は無いのか、恋也は無言のままだ。
しばしの沈黙。
「庇ったつもりは無い。自分の命が危うかったからあぁしたら、庇われていたんだろ」
沈黙を破った恋也の口からは、素っ気無い返答。
あの日、あの場所には人質の恋也と、依頼されて盗みにきたルパンと、依頼主が居た。
「だったら、ヤツの銃弾を全部抜かなかっただろ」
すぅと表情が消えていくのが分かる。
恋也が行った事などルパンには全てお見通しの様で、腹が立つ様な気持ちになりながらも、首を縦に振る事はせずルパンを見つめる。
「自分が撃たれるかも知れないから弾を抜いただけだ」
「元々弾が抜かれてた銃を持たせて、ワザと人質になったのにか?」
「ちっ……」
完全に見透かされている。
そう判断した恋也は舌打ちと共に、顔を逸らした。
片手には端末が握られており、今にも投げ出しそうな程腹が立っているのだろう。
それを分かっていて、ルパンは続ける。
「お前は初めからヤツの弾を抜き、ワザと人質になって、ヤツが撃つほんの一瞬に俺の方に走ってきて、お前は肩にかすり傷を負った」
何も返さない恋也にルパンは更に続ける。
「アイツの銃に弾は入って無かったから、後ろに居たヤツが同時に撃った弾にお前は飛び出して、俺を庇った。違うか?」
舌打ちも返すことなく、恋也は顔を逸らして俯いたままだ。
恋也が飛び出していなかったらルパンに弾丸が当たっていただろう。
それを予測したのか知っていたのか、恋也は銃口から銃弾が放たれるほんの一瞬に、自分を抑えていたヤツにスタンガンを当て、全速力でルパンの方に走って行き、僅か0.2秒の差で遅れて来た弾丸が、恋也の肩に当たった。
両利きだったのが幸いしたのか、右肩をかすり、ナイフを持つのも困難だろうと誰もが予想した刹那、恋也は左手で傍に落ちていた残り一発の拳銃を、依頼主の頭に向けた。
実際発砲する事はなかったのだが、あの後恋也は銃を左手1
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