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FOOLのアルカニスト
予期せぬ再会
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た。

 「お前、サマナーになったのか?」

 「ええ、時間制限あるものでは心もとないので」

 「なるほどな。まあ、雷鋼の爺さんがそこら辺を見落とすわけないか。まあ、これも何かの縁だ、送ってやる。話は道すがら聞いてやる。送り先は雷鋼の爺さんとこでいいか?」

 「いえ、業魔殿にお願いします。実は今日初めて悪魔合体を試すんですよ」

 「ほう、なるほどな。さしづめ今日は顔見せといったところか?」

 「ええ、一定の力量もついたし、そろそろ自分で稼げということらしいです」

 「一定の力量ね……」

 徹のその言葉に卜部は嘆息しつつ、内心で戦慄する。なぜなら、目の前の少年の力量は今や己と同格だったからだ。いや、それどころか、この場に限っていえば従えている悪魔は卜部のものより高位の存在だであり、サマナーとしての力量も己に迫ると嫌でも認めざるを得ない。卜部とて、純粋な戦闘力ではフィネガンやユダなどの上位クラスには譲るが、腕利きとして知られるサマナーである。それにも関わらず、同格の力量を『一定の力量』、すなわち雷鋼や徹にとって自由を許す為の最低限の力量だというのだから、卜部が心中穏やかでないのも無理も無いことであった。

 「ええ、ようやくです。今現在に至るまで、ここがファントムのお膝元である天海市であることすら知りませんでしたからね。そういえば、何で師匠はこんなところに拠点を……」

 (なるほど。単体でも下っ端どころか中堅ともやりあえる実力になったからこそか。聞く限りこっちの要望どおり、情報封鎖はきっちりやってくれてたようだな。あれから5年、シャドウについてはとんだ見込み違いだったわけだが、その分桐条も大打撃を受け後始末に精一杯だ。こいつに関してはほとぼりが冷めたと思っていいだろう。確かに表に出すには頃合かもな)

 「雷鋼の爺さんとうちの組織には密約があってな。積極的に敵対はしない、基本的に不可侵という条件でな。だからこそ、俺はお前とこうして話してられるわけだ。雷鋼の爺さんの弟子であるお前とな」

 「師匠とファントムの間に密約ですか。そんなものが……」

 『密約』、言葉にすると陳腐であるが、ファントムという世界中に根を張る組織がサマナーとはいえフリーの一個人である『雷鋼』とわざわざ結んだのだ。それは凡百では成し遂げられない偉業である。それを鑑みれば、『雷鋼の弟子』であること、並びに『雷鋼の紹介状』がこの世界においてどれだけの力と重い意味を持つのか、推して知るべしである。徹はそれらを当然の如く甘受しているが、それは彼以外の人間がいくら望んだところで、得られるものではないのである。故に、卜部の口調が少々乱暴になるのも仕方の無いことであった。

 「ふん、雷鋼の爺さんに精々感謝しろよ。お前がこうして表を歩け
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