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FOOLのアルカニスト
予期せぬ再会
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驚いたりもした。
 そして、出掛ける際の出来事の影響でなんとなく最後にした防具屋『画廊ラダー』では、この日最大のサプライズがあった。それはルパン三世の次元大介を思わせる格好をしたダークサマナー『卜部広一朗』との再開であった。
 両者は、お互いに気づくと思わずお互いの顔を凝視し、固まった。


 徹にとってサプライズであったように、卜部にとってもそれは予想外のものであった。いや、最低限の義理は果たしたとして、積極的に忘れようとしていた卜部にとっては、より大きいものであった。徹に気づけたのも、己と同格の実力者に対して反射的に警戒&護衛として侍らせていたリャナンシーが徹の顔を覚えていたというだけであり、彼自身の手柄というわけではない。
 しかし、それ以上に目の前の少年の変わりように卜部は愕然とする。僅か5年、齢にして10歳の少年が、それなりの修羅場を経験し、サマナーとしては一流と称される己と今や同格なのだ。師がかの雷鋼であるから、ある程度は理解できるが、それにしてもあまりにも異常すぎる力量であった。何せ卜部をして、確実に勝てるとは断言できないのだから。

 「お久しぶりです。いつぞやは世話になりました」

 それを知ってか知らずか、少年の言葉は予想以上に気安い。

 「あ、ああ。もう、過ぎたことだ。気にするな」

 まさか、礼を言われるとは思わなかっただけに卜部の返答はぎこちないものになる。なにせ、あの雷鋼に預けたのだ。その修練の過酷さは卜部自身骨身に染みているし、徹の現在の力量から容易に予想できる。恨み言を言われても、仕方のないことだ彼は思っていたからだ。

 (流石の雷鋼の爺さんも子供には甘かったのか……。正直、ろくでもないことなることを予想していたんだが、まあなにはともあれ良かったというべきか?)

 卜部は内心で胸を撫で下ろすが、その胸中を見透かしたように少年こと徹はそれをきっぱり否定した。

 「まあ、正直師匠に預けられたことについては、色々物申したいところですが、結果的には最高の環境を用意してもらえたのですから、やめておきます」

 どこか遠い目になりながら言う徹の姿に、己の予想が全く外れていなかったことを理解して、心底げんなりする卜部。

 「最高の環境ね……爺さんは良い師か?」

 「ええ、最強最悪で最高の師ですよ。おかげ強くなれました」

 卜部の問に苦笑して答える徹だが、その目は全く笑っていない。『最強最悪』のところの力の入り具合といい、これ以上この話題を続けるべきではないと卜部は本能的に悟った。

 「と、悪いな。ここに用があったんだろ。さっさと用を済ましてきたらどうだ?」

 「それもそうですね。あ、もしお暇なら、この後時間を頂けませんか?少し話したいことがあるんです」


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