第一章〜こうして私は旅立つことになりました〜
第一話
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っての。いや、オタクの神様ってことで一部にはウケる、か?
「か、神様にも、い、いろいろあるんだよ。
そ、それじゃ、イケメンばっかりの世界に、い、行ってらっしゃい」
そんな私の考えを知ってか知らずか、不気味な笑みを浮かべて軽く手を振ってくる。
「ちょ、何処に落とすつも」
最後まで言い切る前に突然目の前が真っ暗になって、何処かに落ちていくようなそんな感覚がした。
ひゃー、なんて悲鳴を上げて落ちていく最中、あの自称神様の声が響いた。
「ご、ごめんね、ぼ、ぼく、女の子の身体って、よ、よく分かんないから……
ふ、不完全な生まれ方しちゃうかも……だ、だけど、一人でも生きていけるように、
か、簡単に死なないくらいに強くしてあげるから」
女の子の身体がよく分からないとか言うな!! そんなあからさまに童貞発言すんな!!
それに簡単に死なないくらいに強くするってなんだ、チートか? チートってことか? それ。
ってことはつまり、明らかにこれから行くところは危ないところです、って言ってるようなもんじゃないの!!
自慢じゃないけど、生まれてこの方戦いなんかしたことないんだから。つか、格闘技だって習ったこと無いってのに!
「ご、ごめん……」
「謝るくらいならせめて希望くらい聞いてから落とせーーーーー!!!」
叫びも空しく、神様の返事を聞くこともないまま私は意識を失っていた。
はっと目を覚ますと、そこは見知らぬ家の中だった。
あの自称神様のアパートよりかは随分と広く、どうも日本家屋って感じの家に見える。
いや、家と言うよりは……何だろうな、こういう古めかしい造りの建物何処かで見たことあるんだけど……何処だったっけ。
そんなことをぼんやりと考えている私の近くで赤ん坊の泣き声が響いている。
一体何処からそんな声が聞こえてくるのかと思って首を動かそうとしたものの、どういうわけか思うように動かない。
起き上がろうとしても身体に力が入らない。
「(ちょ、何!? 何が起こったっての!?)」
とどめにまともな声すら出ず、まるで赤ん坊のような高い音しか口から出てこない。
流石にこれには妙な焦りを覚えて慌ててしまうが、それでも私には自力で身動きすらとることも出来なかった。
ちょっと待って、何この状況。どうして身体が動かないわけ?
もしかして、神様とやらに落とされた影響で怪我をしてる、とか?
いやいや、だったら身体に痛みがあっても良いじゃないの。どう見たってここは病院じゃなさそうだし、何処かのお家って感じだし。
「あらあら……どうしたの?」
嫌にデカイ女の人が私の隣に寝かされていたらしき赤ん坊を抱っこしてあやしている。
落ち着いた赤ん坊を抱きながら
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