紅霧異変
Part14 『本来』の仕事
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、これも有効だろう。
しかし、
フランの背後に出現した眩い閃光を見た瞬間に、この判断は間違っていたと気付く。
数秒後、俺の身体は空を舞っていた。
鋭い痛みが腹部を襲う。
俺が無力化できない唯一の攻撃……弾幕だ。
「ゴ、ガハッ!?は、はあ!はあ!」
壁に叩きつけられ、呼吸が激しく乱れる。
ただし、休んでいる暇はない。
「そ、速度を100に!」
とりあえずこの場から逃げる事にする。フランから逃げるなんて許されないとは思っているが、このままここに居れば、俺の命は風前の灯と化す。
心の中で謝りながら、俺は地面を蹴った。
風景が切り替わ……
「速い早ーい!凄い凄い!」
フランがすぐ横にいた。
まさか……このスピードに食らいついてきた!?
バカな……光の速度で動いていた魔理沙に肉薄した速度だぞ……!?
「はい!!」
フランの手から発せられる光に当たり、脇腹に痛みが走る。
バランスを崩した俺の肉体は、いとも簡単に地面に崩れ落ちた。
「がっ……防御力を100に!」
そのまま光の速度で床に墜落した。
床を破壊し、巨大なクレーターが生じる。空気が押し出され、全てが衝撃波として壁を吹き飛ばした。
「あ、ぶねぇ……」
防御力を100にしてなければ、地面に激突した際にお陀仏だっただろう。
フランは……あの衝撃波に耐えられるとは思えない。何処かに吹き飛ばされたかもしれない。
あぁ世界中のフランファンよ、申し訳……
「あー、痛い痛い。びっくりしたなー」
俺の頭に一つの文字が表示された。
『杞憂』
まさにそれ。
俺の前方に、少し汚れのついたフランが歩いていた。目立つ外傷は見受けられない。
隕石クラスの衝撃波ですら、吸血鬼をどうこうする事は出来ないのか……。
フランの背後から紅い弾幕が姿を表す。上空、左右、あらゆる方向から逃げ場を無くしていく。
ルール上は逃げ場はあるのだろうが、ゲームと現実は違う。弾幕が目に入ってこない。あまりの迫力に、もはや身体が追いついてこない。
やれる事は、ただ一つ。
死なないように、生きる。
「生命力を……100に!」
直後、弾幕が降り注いだ。
肉が削げ、骨が消し飛び、形を無くしていく。
痛みはない。麻痺しているのか、寒さも暑さも無い。
破壊された箇所は即座に再生していく。生命力=再生力のようだ。
死ぬが、再生していく。
無限だ。フランが飽きるか、俺が諦めるかしなければ、俺の肉体は無限に再生していく。
ただし此方の精神的苦痛の方が強い。正直……耐え切れる気がしない……。
「凄いすごーい!全く壊れない!」
フラ
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