紅霧異変
Part14 『本来』の仕事
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死ぬほどではないだろうし。
妖精達より弱いとは言ったけど、あの能力がある限りは死なないと思う。
そう色々考えている中、レミリアお嬢様が博麗の巫女に近付いた。
守るかどうか迷うが、レミリアお嬢様自身から近付いているのだから問題はないだろう。
守るのは必要最低限でいい。
「……博麗の巫女、一つ話があるわ」
「……何よ」
博麗の巫女は警戒を解いていないのか、お嬢様に対して僅かに距離を取っている。その巫女の背後にいる魔女に至っては、いつでも弾幕を張れるように魔力を練っていた。
だが、潰されるリスクがあるにも関わらず、お嬢様はその場から動かなかった。
「私の能力は『運命』を操れる力……応用すれば、未来と過去を見る事もできる」
唐突に切り出されたのは、自らの能力についてだった。
なぜ自分の能力を明かしてしまうのか、私には分からない。目の前にいるのが敵だという事を忘れていらっしゃるのか……。
「それが何よ?」
流石におかしいと思ったのか、博麗の巫女は戦闘態勢を崩し、レミリアに近付いた。
今なら攻撃を当てる事ができるだろう。それも致命傷の一撃を。
だが、お嬢様は動かなかった。
お嬢様は代わりに紅魔館を一瞥し、改めて博麗の巫女に向き直る。
「博麗の巫女と魔法使い……教えるわ。この紅い霧を出した理由と、ここに貴女達を迎え入れた理由を」
この紅い霧を出す理由?
確か、『太陽を覆い隠すため』だった筈。それをこの二人に教えた所で、なんのメリットがある……?
私は分かっているつもりだった。お嬢様の霧を出す理由なんて。
だが、次の言葉は、私が予想していなかった答えだった。
「この霧は、異変解決に来る貴女達を誘い出すためのもの。そして、呼び込んだ理由は……」
お嬢様の口から放たれる、その一言。
「フランドール・スカーレット……少し気の触れている私の妹と、満足するまで遊んであげてくれないかしら?」
その時、紅魔館の何処からか、破壊音が聞こえてきた気がした。
「あ、あああぁぁぁぁぁ!!」
咄嗟に真横へ飛んだ。
視界を包んだ金色はフランの髪の毛だった。俺の首元に突き立てようとした牙が空気を掻っ切る。
床を転がり、フランの方を見ると、その赤い瞳と目があった。
まるでレーザーサイト。照準を定めようとしているその目は、俺ではなく、俺の背後にある壁を映し出していた。
フランがにっこり笑う。
直後、背後の壁が四方八方に爆散した。
無数の瓦礫が襲いかかってくる。
「耐久度を100に!!」
耐久度を上げ、とりあえず耐える戦法に出た。フランが物理攻撃しかしてこないのなら
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