紅霧異変
Part14 『本来』の仕事
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「咲夜、あんなスペルカードを使う奴に心当たりは?」
「いえ……そういえば妹様が、有波にスペルカードを作ってあげたと言っていました」
「ふぅん……ってことは、関わってる可能性があるってことね」
「はい」
ヤベェ、もう既にばれかけてる。
スペルの効果もあと僅か。もし切れたら俺の姿は白昼の中に晒される……いや今は夜だけど。
「見つけ次第殺っときましょうか?」
「そうね……戦力として投入して私達に牙を剥いているのなら、生かしとく必要も無いわけだし」
死刑★決定!
よし、逃げる手筈を整えるか。まずは急いで部屋に戻って荷物を取って……。
いや、まずはスマホの写真フォルダにフランの写真を思う存分取るか。うん。
そうと決まれば即座に決行。速度を100に。
「でも……もし殺したりしたら、」
ん?何やら話の流れがおかしいような……まあいいか、目指すは地下室!最後に記念として写真を撮ってやるぜ!
「あの運命が」
レミリアの言葉がそこまで聞こえたところで、風景が切り替わった。
よし着いた。ここは地下室前の階段だな。
さて、レミリアが最後に呟いた言葉は気になるが……まあそれはいい。それよりも……。
「なんだ……?これは……!?」
地下室へ向かうための階段の前に、血と肉のオブジェがあった。
肉で作られた山は、真っ赤な血で彩られている。そしてその山の頂点には、同じく真っ赤な少女が座っていた。
無邪気な笑みを浮かべ、不気味な赤い瞳をゆらりと動かし、片手で猫の毛を撫でるように肉の表面を撫で、自らを象徴するような七色の双翼を携える『悪魔』。
名は……フランドール・スカーレット……。
俺が心酔するその少女は、血を片手で汲み取り、口の中に流し込んだ後、僅かに顔を歪ませた。
「うーん……やっぱり不味い。まるで泥と毒を混ぜ合わせたような味がする」
フランドール……なぜ彼女がこんな所に居るんだ?確か、力が強すぎるから異変中は地下にいるんじゃ……。
「ねぇ?有波」
寒気がした。
普段ならば笑顔になって返事する所だが、なぜか今回は笑えない。
フランドールはゆっくりと首を傾げ、呟いた。
「貴方の血は……美味しいの?」
直後、視界が金色に染まった。
消えた。
先程まで猛威を振るっていたメイドは、それこそ空気に溶けるようにして消えていった。
私の隣に浮かぶ博麗の巫女は一呼吸おき、呟く。
「やっぱりスペルカードだったみたいね。制限時間が過ぎたのか、術者が死んだのかは分からないけど」
……いや、単純に制限時間の方だと思う。有波は弱いけど、今の流れ弾に当たって
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