第154話
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ットの足元にカラン、と空き缶を捨てるような音が聞こえたのは。
視線を下に向ける。
それは閃光弾だった。
それは激しい光を生み出し、ブリジットの視界を奪う。
「くっ!?
小癪な!!
防御を全方位に展開!!」
攻撃を中止して隙間なく盾を展開する。
油断したが次はない。
視界が治った瞬間、殺す。
そう思っていたブリジットの耳に麻生の声が聞こえる。
それは目の前から聞こえた。
「そう来ると思っていた。」
盾が壊れる音が聞こえた。
適当な所に異次元移動するよりも早く右胸に何かが貫く感触がした。
右腕の手首から先から凄まじい痛みが襲う。
「・・・・・」
ブリジットは何も声をあげない。
違う。
声をあげられないのだ。
声を出そうにも何かが干渉して声を出す事ができない。
視界が戻る。
眼と鼻の先には麻生が居て、その右手が自分の右胸を貫き、麻生の左手には刀が持たれていて刀身が血で濡れていた。
すぐ足元には自分の右手が落ちていた。
その手には魔道書がしっかりと握られている。
胸を貫かれた痛みと手首を切断された痛みで涙が出る。
泣き叫びたかったが声が出ない。
自分はあの盾に最強の防御を想定していた。
なのに破られた。
どうして?、という疑問がブリジットの頭の中に思い浮かぶ。
「簡単だ。」
ブリジットの頭の中を読んだかのように麻生は答えた。
「お前が想像していたより、星の力は強かったって事だ。
全く不本意な事だがな。
お前は相手を殺すより自分の保身を優先する男だというのは分かっていた。
だから、眼を潰せば必ず攻撃を中断して防御する。
あのまま武器を放てば勝てたのにな。
お前の敗因はたった一つだ。」
麻生はブリジットの眼を見て告げる。
「喋りすぎなのと、星を甘く見た事だ。」
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