第16話 念動力者、魑魅魍魎の主に告げる
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上条が氷麗に凍らされている頃、カナはリクオと共に夜の空中散歩と洒落込んでいた。そして2人は街灯が殆どなく、月と星明りと夜景が美しく見れる公園へ訪れていた
「へえ…学園都市っつうのは夜、月しか見えない所ばかりかと思ったが、星も見える所があったんだな」
「私も最初はそう思ってたけど、涙子ちゃんが教えてくれた穴場なんだ」
「そっか…病室でも察してたがカナちゃんもこの学園都市でいい友達が出来たんだな…」
リクオは不安だった。幼馴染であり大切な人であるカナが単身、学園都市へ行くのに1人ボッチになるのではないかと心配していたのだ。それに何より…
「カナちゃん……傷、響いてないか?」
「え?」
そう言いながらリクオはカナを優しく抱きしめた
「カラスから連絡を受けてた時は心臓が止まりかけたんだぜ?カナちゃん…あまり無茶をしないでくれ……」
リクオは眉間にしわを寄せながらカナをギュッと強く抱きしめた。カナの心配をするがカナ本人はクスっと笑みを浮かべながら小さく反論する
「そういうリクオ君だって、晴明との戦いの時は顔半分削られるほどの重傷を負ったって及川さんから聞いたよ?」
「う……っ!」
図星なのかリクオが声を詰まらせた
「及川さんもそうだったけど、私もリクオ君の無事がわかるまでは生きた心地がしなかったんだからね!」
そう言った瞬間、カナの目から涙が溢れ、ポロポロこぼれ出した
「心配…したんだから……」
罪悪感を感じたのか、目を逸らしながらもリクオはカナに謝罪した
「そ、その時は……悪かったって思ってるよ…」
「ほんとに?」
「ほんとだ」
「ほんとのほんと?」
「ほんとのほんとだ」
「リクオ君……」
少々しつこいと感じたが1年も離れ離れだったし、カナ自身は気付いていないみたいだが“寂しかった”と顔にでているんだ。ここで気付かない程自分は抜けているつもりはない。
だからリクオは仕方ないと感じながらカナの質問に答えた。やっと安心したカナはそっとリクオの手を握り、彼の瞳をじっと見続けた。対するリクオは久しぶりに見る幼馴染の顔は最後に見送った1年前より少し大人の女性として成長したと感じたのか、その魅力を感じ、頬が赤く染まっていることに自覚してしまい、カナから視線を逸らしながらこう答えた
「カナちゃん…気持ちは嬉しいが、俺たちは幼馴染であって…」
「え?………っ!!」
自分が今どんな体勢なのかやっと気づいたのか恥かしさのあまり顔を真っ赤に染めて手を放し、距離を置いた。そしてリクオはカナへの好意は気付いていたが自分は4分の1とはいえ妖怪…人間である彼女を幸せにできる自信は今のリクオに無かった。だからこ
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