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ああっ女神さまっ 〜明日への翼〜
明日への翼
01 RAIN OF LOVE
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ルダンディーは言葉を返せないでいた。
 確かに約束をした。
「約束を破り君は彼を思って泣いた。──約束を破る。一級神にあるまじき行為だね。そこでペナルティーを受けてもらおうと思う」
 何か言い返したいのだが言葉が見つからない。
 ただ、あの時声を上げて泣いた事を少しも後悔していなかった。
 自分の命を、世界の全てと引き換えにしても守りたいと思った最愛の人が死んだのだ、
 螢一の為に泣いたのだ。
 少しも恥じる事はない。
 その為に受ける処罰なら甘んじて受けよう。
 ベルダンディーは姿勢を正し胸を張った。
「……いかような処置でも。ですが、これだけは言わせてください。螢一さんは……わたしの……私の生涯最愛の人です」
 声を詰まらせた。
 大天界長の慈愛に満ちた微笑。
「実はなこの間地上界から解脱(ソウルシャウト)して天上界に昇ってきた──まあ、なりたての神だな──者がいるんだ。彼にはユグドラシルのハード面での管理をしてもらおうと思っている。そっちの方面での教育は管理神達に任せるとして、問題はここでの暮らしだ。地上界と天上界ではいろいろと生活習慣が違うからな。慣れるまで面倒を見てやって欲しい」
 大天界長に促されて室内に人影が入ってきた。
 神衣を身に纏い大天界長とベルダンディーの間に立つ人影。
「えっ……」
 驚きに見開かれる蒼い双眸。
「嘘、そんな……」
 膝が震えていた。脚に力が入らない。
 何か言わないと。
 でも、
「あ……あ…」
 なんて。
 この驚きと嬉しさをどう表現いたらいいのだろう。
 夢ならば。
 女神が夢に逃げるなど許されないことだけど。
 夢ならば覚めないで欲しい。
「また会えたね」
 驚きのあまり声も出ない彼女に彼はやさしく微笑み掛けた。
 スポーツ刈りの黒髪。
 優しそうな黒い瞳。
「螢一さん!」
 腕の中に女神は飛び込んでいった。
 ぬくもりと鼓動。
 夢じゃない。
 確かに螢一は、大切な人はここにいる。
「早速だけど女神さまっ、お願いを聞いて欲しいんだ」
 ベルダンディーにとって彼の優しい声は何よりの安らぎだった。
「……はい、どんな願いでもひとつだけかなえて差し上げます」
「君のような女神にずっとそばにいて欲しい」
「私は……」
 頬を涙が一滴流れて落ちた。
「私はあなたの為にここにいます。けっして離れることはありません」
「また四人で一緒に暮らせるね」
「いいえ、五人ですよ」
 お腹を押さえている彼女に螢一の瞳は大きく見開かれた。
 やったぁ、凄いぞ!
 歓声をあげてベルダンディーを抱えあげた。
 大天界長の咳払いで我にかえった二人は佇まいを直した。

 やがて天上界で力をつけ、一級神を拝命したスクルドが仙太郎の元に降臨するこ
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