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ああっ女神さまっ 〜明日への翼〜
明日への翼
01 RAIN OF LOVE
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げた膝枕。
 膝がまだあの時の重さを憶えている。
 忘れることはないだろう。
 涙は流しつくした。 
「ずっとそばにいて欲しい」
 いつか自分の願いになっていた。
 叶わぬ事であると知りながら。
 でも。
 これで終わりではないと思った。
 螢一への思いは、記憶は、いま確かに胸の内にある。小さな宝石となって奥底に沈み、これからの長い時をずっと支え続けてくれるだろう。
 いまはただ、この愛しい人の思い出を胸に天上界に戻ろう。
 さよならじゃありません。またいつか会えます。
 ──それに。
「お姉さま」
「ベルダンディー」
 障子の向こうから声がした。
 立ちあがって衣装を天衣に変化させた。
 障子を開けると沈んだ面持ちの二人がいた。
「いきましょう」
 静かな微笑だった。
 二人の間を抜けて庭へ下りた。

 時が来て天井界へのゲートが開いた。
 女神服に着替えた三神が天に昇っていく。
 さよなら。
 大好きだった町。
 優しい思い出がたくさん詰まった町。
 いつかまたもう一度。

「お帰りなさい」
 天上界に戻るとペイオースが三人を出迎えた。
「ただいま、久しぶりね」
「元気そうで何よりだわ」
 ペイオースは、スクルドとウルドの返事も気がつかないかのように、女神服のベルダンディーを見詰めていた。
 片膝を折って胸に手を当て頭を垂れた。
「一級神二種非限定女神ベルダンディー、よく戻られました。大天界長がお呼びですわ」
「判りました。ありがとう」
 静かに歩み去る姿。
 見送って、はじめて気がついたかのように、ペイオースは茫然と呟いた。
「あたくし……いま、どうして膝を……?」
「それだけあの娘が成長したってことよ」
 一級神の中でもプライドの高い女神はめったに膝を折ることはしないのに。今まで頭を垂れるのは大天界長だけだったのに。
 ウルドの声も何処か遠いことのように聞こえた。
 大天界長との謁見室の中で、ベルダンディーは一人、膝をついていた。
 任務から戻った女神が大天界長に呼び出されるなど聞いた事がない。
 たとえば、任務を達成する上で大きなミスや手違いがあったとしても、直属の上司から叱責を受けるのが、通例となっている。
 何の用なのか……。
 彼女には大天界長の意図がわからないでいた。
 大天界長が玉座に姿を現した。
「一級神二種非限定女神ベルダンディー、これに」
 膝をついたまま頭を下げる。
「立ちなさい。楽にしていいよ」
 応じて立ち上がる。
「長い間の地上界での任務ご苦労だった。──さて、ベルダンディー。君はひとつ困った事をしてくれた」
 彼女の柳眉が動いた。
「君は森里螢一と約束をしていたのではないかね。彼が死んでも絶対に泣かないと」
 ベ
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