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ああっ女神さまっ 〜明日への翼〜
明日への翼
01 RAIN OF LOVE
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 あれほど騒がしかった他力本願寺もここ一週間は静かなものだった。
 スクルドもウルドも身体の芯から何かが抜け落ちたかのようにおとなしかった。定番の喧嘩もなりを潜めている。
 電話が鳴っていた。
 ベルダンディーが受話器を上げる。
「はい、森里です……えっ、神様ですか!……ええっ!ですが……いえ、そのような事は……判りました」
 スクルドとウルドはベルダンディーに茶の間へ呼び出された。
「先程、神様から通達がありました。本日十二時を持って全員地上界より退去。天上界に戻ってくるようにとの事です」
「そんなっ、あたし達の気持ちも考えないであまりに一方的じゃない!」
 スクルドの抗議。
「あなたは本当にそれで良いのかい」
 ウルドは辛そうな目でベルダンディーを見ていた。
「神様の命令には逆らえません」
 瞳を伏せた。
 唇を噛むスクルド。
「……仙太郎にお別れをしてきなさい」
「……うん」
 スクルドはウルドに素直に頷いて席を立った。
「私も千尋さんと恵さんの所に行ってきます」
 話を聞いた千尋は落胆の色を隠せないでいた。
「森里君がいなくなって、ただでさえ痛いのに、ベルちゃんも辞めちゃうのね」
「本当に勝手を言って申し訳ありません」
「いいのよ。あなたの人生だもの」
 寂びしそうに笑う千尋。
「早く忘れちゃいなさい。私が言える事はこれだけ」
「いいえ、忘れません。螢一さんと、皆さんと過ごした時間は私の宝物ですから」
 恵は予期していたかのようだった。
「寂しくなるわね」
「ごめんなさい……」
 頭を下げるベルダンディー。
「そっかー。あのお寺、空になっちゃうのか……あたしあそこに引っ越そうかな。家賃もいらないし。人が住まないとどうしても荒れるしね。──よし、決めた!あたしこれから手続きしてくる!」
 即断即決。こうなると恵はやる事が早い。
「ベルダンディー!何時でも戻って来てねっ!あたし待ってるから!」
 愛車に跨って手を振る恵だった。
「ありがとうございます」
 ベルダンディーの胸は恵への感謝の気持ちでいっぱいになった。
 大切な想い出が宿る土地を守ってくれる人がいる。
 女神の彼女は、簡単に約束を交わしたり出来ないが、もし許されたなら、もう一度ここに戻ってこよう。愛しい人と過し記憶を刻みつけたこの町に。
 いつかもう一度。
 彼女はそうなるよう強く願った。
 螢一の部屋は彼が生きていた時と少しも変わっていない。
 まるでちょっと買い物に出かけた、とでも言うように。
 机も本棚も愛用のヘルメットも変わらずそこにある。
 だけど持ち主は永遠に戻ってこない。
 ベルダンディーは螢一の部屋で時間までをただ静かに待った。
 部屋の中央に正座して微動だにしない。
 時折彼にしてあ
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