戦いのための準備
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。
セイバーは妙に落ち着いた様子でいるが俺はそうはいかなかった。なぜセイバーがその格好でそんなに悠長にしているのか分からなかったからだ。あまり大きな声をあげず、コソコソとセイバーに訴える。
「なんでその状態なんだよ?いつもの鎧はどうした?」
「鎧は外した。今この場で動かれると邪魔だろう?」
だからと言って他にも考えようがあるんじゃないか?と言いたくなったがそれよりもさっきのセイバーの言葉が気になった。
「で、先を越されたってどういうことなんだ?」
セイバーが一呼吸を置くと、話し始める。
「簡単なことだ。完璧なはずのムーンセルがサーヴァントの情報を置いていないというミスはあり得ないからな。誰かが持ち去ったに違いないだろう」
「……」
なんとも言えない。いや、理屈あっていないわけでもないがたったそれだけで結論付けて良い…のか?
だがまぁ、せっかくセイバーが協力してくれるのだ。その意見を尊重しなくては。
とりあえず本を探すのは一旦中止し、図書館内で何かおかしなことをしている奴を見なかったかと中にいるNPCに何人か聞いてみた。
すると、
「ああ、それならさっき間桐君が本棚の前でそわそわしてるのを見たよ」
当たったよ…。聞く限り怪しいよ……それ。一応他の子にも聞いてはみた。すると、何人も慎二が怪しい行動をしているのを見たと言う。
「なっ、そうだったろ?」
図書館からの帰り道。セイバーが後ろから声をかける。
「……うん」
ただそれぐらいしか返せなかった。あまりにもバカらしくて恥ずかしくなってくる。
それにしても困ったことにもなった。本を隠されたとなっては相手の情報を集めるのが非常に難しくなる。
「はぁ……」
「なぜそんな顔をする?」
「大丈夫なのかなって思ってさ」
しばらくの沈黙のあと、そうかとセイバーが答える。何か言ってくると思ったが意外と口数は少なかった。
「何にせよなんとかしないといけないのは確かなんだけどな……」
「この程度で臆するな。これで勝敗が決まったわけではないだろ」
セイバーが呆れたように言う。確かにそうだ。情報も大切だが全てがそれで決まるわけではない。
「それもそうだな、よし!じゃあ早速修行に取り掛かろうか!」
「……」
返事がない。
「セイバー?」
返事がないことを不審に思った俺はセイバーの様子を確認する。
振り向いた先にはセイバーが浮かない表情をしていた。
「すまないがマスター。修行の前にある所へ寄らせてくれ」
「お、おう。良いけどどうしたんだ?」
セイバーは俺から視線を逸らしながら言いづらそうに言った。
「腹が減った…
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