戦いのための準備
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何がいけないんだ?」
セイバーのその問いに敢えて反論せず答える。すると、セイバーはゆっくりと上半身を起こし、片目を閉じて言う。
「ああいけないともマスターよ。なぜならお前の修行の時間が減ってしまうからな。これでは何のためにオレが重い腰を上げたのか分からなくなる」
理由を知った途端、口をあんぐりと開けてしまった。セイバーの言うことだからもっと理不尽で横暴なことを言うのかと思っていた。
「だけど相手の情報も大切だ。まだ慎二のサーヴァントはライダーだと言うことしか分からない。他にももっと情報を集めた方が戦いが有利になるはずだよ」
するとジトーと俺を見るセイバー。
「そんなにオレの修行が嫌か?」
「そうじゃない!ただ情報も大切だってことが言いたいんだ!セイバーの修行の時間も減らすつもりはないし、嫌いになったりしない!」
つい言葉を荒らげてしまった。少し傷つけただろうか、と反省しながらチラッとセイバーの方へと視線を投げた。
「ふむ、オレの修行が悪いわけではないのだな。それは良かった。だが、修行と情報収集を両立させるのは困難を極める。さっきも言った通り、修行の時間を減らすつもりはないからな。……睡眠の時間を削るという案もなきにしもあらずだが貴様とてそれはやりたくはあるまい。他の案があるとするならば朝の時間をもう少し増やしそれを回す、というのもある」
意外に大丈夫だった。というより、めっちゃ協力的だったのに驚いている。なぜそこまで考えてくれるのだろうか。
「情報収集に協力してくれるのか?確か断るって…」
「修行の時間を削るならの話だ。他に考えがあるなら止めはしない。それに色々と世話になっていることもあるからな、協力しなくては面目が立たんではないか」
「セイバー……」
目頭が熱くなった。こんなにも俺のことを思ってくれるなんて……。
優が感動している時、セイバーはというと。
(腹減った……)
空腹に苛まれていた。
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情報収集をすべくまず俺たちが向かったのは図書館だった。ここなら歴史の本とか何かの伝説が記された書籍等を探していけば相手のサーヴァントの正体が分かるかもしれない。
と思ったのだが、
「見つからないな」
一向にそれらしき書籍は見つからない。ワードは『艦隊』。慎二がライダーの宝具をうっかり言ってしまったキーワードだ。
艦隊を使うサーヴァントと言えば大体限られてくると思うのだが……。
「先を越されたな」
「ッ!?」
声のした方向を見ると部屋着の状態のセイバーが大きくあくびをしながら本棚を見つめていた。両手を短パンのポケットにいれ、セイバーはしゃがみこむ
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