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英雄は誰がために立つ
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 因みにギャスパーは、同時に怯えていた。

 「貴方が気配も殺さず、あんな見つけてくださいと言わんばかりに隠れてるなんて、僕を見縊り過ぎですよ?」
 『見縊り過ぎか・・・。そんなセリフを吐くのであれば、もう少し早く気づいて欲しかったものだな?』
 「如何いう意味です?」

 祐斗は訝しみながら、声を強張らせる。

 『私は最初から居たぞ?』
 「最初?」

 それに祐斗では無く一誠が反応する。

 『ああ、最初だ。彼、ギャスパー・ヴラディ君が悪魔稼業で戻ってきて即座に、部屋に引きこもったあたりからだ』
 「嘘だ!そんな事はあり得ない!だって視界には・・・!」
 『私の凄腕の知り合いに、教えてもらった気配を絶つ技の極みによるものだ。とは言っても、あいつ同様程までに上手くできる訳じゃ無いが、君たち位であれば通用すると言う事だ。因みに、以前にほんの少しの間だけ君らに貸したタルンカッペ(姿を消す布)は一切使っていないぞ?』

 この事実に驚きを隠せない木場祐斗。

 『とは言え、不快な思いをさせたのであれば謝罪しよう。別に私は喧嘩を売りに来たのではないのだから』

 その言葉と共にギャスパーに近づいていく。

 「フ、フェェェェェ!?どうして僕に近づくんですかぁぁぁぁ!!?」

 一々怯えるギャスパー。
 そんな彼の前に一誠が前に出る。

 『ん?』
 「悪いんすけど、今の俺はコイツの事を部長から任されているんすよ。それに対人恐怖症なんで」
 『それくらい承知している。荒業で何とか解決させようとしたんだろうが、リアス嬢は焦り過ぎだ。私が今日、こうして訪れたのは会談に関する事何でな』
 「何すかね?それは・・・」

 会談に関すことと聞いて、場を譲る一誠。

 「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
 「如何したんだギャスパー?」

 ギャスパーの目の前に来た幻想殺しに対して、必要以上に怯える姿に疑問符を浮かべる。

 『恐らくこの外套の性質が原因だろう。君らは私にもう何度か会って慣れてきているのであろうが、これに畏怖や嫌悪感を感じるのではないか?』
 「え?う〜ん、まぁ・・・」
 『この外套は、聖骸布と言う聖遺物の一種で出来ているから、それでだろう。特に彼はハーフとは言え、元ヴァンパイア。その上、転生悪魔になってもヴァンパイアの性質もいくらか残っているから余計なのだろう』
 「聖骸布!?」

 その言葉に、入り口の一番近くに居た祐斗が反応する。

 「如何したんだよ木場?そんなに驚いて・・・・・・って、聖遺物の一種!?」
 「そうさ、その聖骸布は教会などではとても貴重なモノのはずだ!それを何故貴方が持っている!?」
 『ある知り合いに条件付きで貰った、としか言えないな。まぁ、そん
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